2020.12.10
# 地銀再編

地銀の危機で誰の目にも明らか、現実を見ぬ「地方創生」の無残な結末

地銀再編が地方淘汰に繋がるワケ2
高橋 克英 プロフィール

ネット銀行になるか、DX企業の傘下になるか

もっとも、地銀にとって、地銀再編はゴールではなく、スタートラインに立ったに過ぎない。それだけでは、長期的かつ根本的な解決策にはならないのだ。この先、地銀は何をメインビジネスとして稼いでいくのか。個人、中小零細企業といった小口取引は手間もかかりリスクもあり、コストもかかる。また、こうした分野は信金や信組といった協同組織金融機関がシェアを占め、顧客からの信任も厚い。更に、コスト競争力と利便性に勝るネット銀行やネット証券、DX企業による新しいサービスも提供されてきている。

 

では、より優良で規模の大きい大企業や富裕層向けビジネスの強化はどうか。こちらは、高度な金融技術や金融知識が要求され、メガバンクや外資系金融機関などがしのぎを削る世界だ。

つまり、上にも下にもいけないのが地銀の現状であり、地銀再編で規模と体力を確保しても、稼ぐ力がなければ、どの道じり貧なのだ。地銀は、付け焼き刃の策ではなく、<1>店舗をゼロにしてネット銀行に転換する<2>DX企業の傘下に入り、銀行免許を生かし、グループの銀行部門とて生き残る、といった大胆な経営判断を下さない限り、合従連衡の先の明るい展望は、見えてこないのかもしれない。

しかも今回のコロナ禍下で、銀行ユーザーが改めて気付いてしまったことがある。<1>ネット・スマホの優位性<2>危機時の政府系金融の有用性、そして<3>身近にある信金・信組などの利便性、だ。

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