# 医療

「死後の世界」と「輪廻転生」は存在する…僧侶になった“看取り医”がそう断言するワケ

高齢者が口にする「はよ、死にたいわ」の真実

私は京都の医師で、人生の最終段階の状態にある方々の訪問診療をしております。

日々、患者さんの元をお訪ねしていますが、その折、療養中の患者さんからしばしばこんな声が聞こえてきます。

「はよ、死にたいわ……」

ご高齢の方は、元気であっても半ば冗談のようにこの言葉を口に出されることもありますが、人生の最終段階にある患者さんが話すこの一言は、「生きていることがつらい」の裏返しでもあろうと思います。体調がよければこんな言葉も出ないわけですし、この言葉が出るときは体調が悪くて生きていることがつらく感じられている……と認識しています。

まずは体調についておうかがいして、いくらかでも改善する算段もしなくてはいけませんが、並行してこのようなお気持ちを受け止めることが大切だと思います。

診療中の尾崎容子医師
 

「まあ、“その日”は今日じゃなくてもいいと思うけれど……」と私は言いながらも「はよ、死にたいな……そう感じられるのですね」と反復いたします。そうすると「そうなんです」と返されます。私はさらに、「“あっち”に行かれたら、どなたかが迎えに来られるのですか?」とも問いかけます。

これは、がんを患うある女性とのやりとりでした。

患者さん「いやー。誰も来ないわ」
「お母さんは? 来ない? そういう性格じゃない?」
患者さん「お母さんなあ……来ないなあ。……あ、でも別れた旦那のお母さん、あの人は来てくれると思う。すごく優しい人でした」

「死後の世界」を話題に持ち出すと、みなさん、「死後の世界」を肯定するように、死後に出会える人について思いをめぐらせ、お話をしてくださいます。それはこれまでご自身が、“あちら”に行った方にどれほどお世話になったか、感謝しているか、自分が恵まれていたことを言語化するという作業につながります。

その方の支えを明らかにすることで、ご自身の人生をいいものとして振り返っていただくことができ、穏やかな気持ちを持っていただくことができるのです。