2020.12.09
# 地銀再編

どんどん狭まる政府・日銀による再編包囲網に、地方銀行はどう出る?

地銀再編が地方淘汰に繋がるワケ1
高橋 克英 プロフィール

大本命は「TSUBASAアライアンス」

こうした政府・金融当局による包囲網の動きもあり、表(出所/カンパニーレポート、マリブジャパン)のように足元でも地銀の再編や提携の動きが活発化している。

そのなかで、地銀再編の大本命は、千葉銀行を中心とした「TSUBASAアライアンス」だ。元々のTSUBASAアライアンス自体は、2015年10月に千葉銀行、第四銀行、中国銀行の3行で発足。その後、伊予銀行、東邦銀行、北洋銀行が参加。2018年以降には北越銀行、武蔵野銀行、滋賀銀行、琉球銀行、群馬銀行が加わり、11行の大所帯だ。

 

11行の総資産合計は86.7兆円に達することになり、地銀トップのふくおかFGの25.0兆円、横浜銀行を擁するコンコルディアFGの18.9兆円を凌駕するだけでなく、りそなHDや三井住友トラストHDをも超え、メガバンク(3行平均257.0兆円)に次ぐ規模となる(2020年3月末)。資産規模の拡大は、金利やサービスでは差別化が難しい銀行業において、「規模の経済」を得て生き残るため、今も昔も変わらぬ起死回生策なのだ。

基幹系システムの共同化、ビジネスマッチング、共同拠点の設置、フィンティク研究なども進めており、今年7月には各行出資により「TSUBASAアライアンス株式会社」も設立している。システム共同化や業務提携の動きは他の地銀間でもあるが、TSUBASAは最も実績があり結束が強いアライアンスの一つであり、仮に11行による経営統合が実現した場合、質量ともに他の地銀グループの追随を許さない圧倒的なトップグループが誕生することになる。まさしくメガ地銀の誕生だ。

なお、SBIホールディングスは、第二地銀などへの出資による「第4のメガバンク構想」を打ち上げている。2019年9月の島根銀行との資本業務提携を皮切りに、福島銀行、筑邦銀行、清水銀行、東和銀行、じもとHD(きらやか銀行、仙台銀行)との資本業務提携で7行目となり、SBIHDでは、10行程度とは提携を進めたいとしている。もっとも、7行合計の総資産は8.3兆円に過ぎない(2020年3月末)。合計の資産規模を見る限り、「第4のメガバンク」は、SBIグループの構想よりもTUSBASAアライアンスの方が、実際に経営統合した場合には、そうなる可能性が高いといえよう。

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