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2020.12.09
# 地銀再編

どんどん狭まる政府・日銀による再編包囲網に、地方銀行はどう出る?

地銀再編が地方淘汰に繋がるワケ1
菅政権がスタートし、地銀再編が改めて注目されている。政府・日銀による【期間限定】金利優遇・キャッシュバックキャンペーンが開始されたいま、地銀再編はもはや不可避だ。そもそも上場する株式会社として、規模を拡大し、リストラし、収益向上により、株式価値の向上を図るのは当然の選択だ。

福岡県に5行、静岡県に4行は多すぎる?

今年9月2日、当時官房長官だった菅義偉首相が自民党総裁選の出馬会見において「地方の銀行について、将来的には数が多すぎるのではないか」と発言。また翌3日には「再編も一つの選択肢になる」と発言したことで、政府・金融当局による地銀再編への包囲網が、矢継ぎ早に築かれている。<1>独禁法の特例、<2>日銀の支援制度、<3>政府から補助金支給の3つがそれだ。

まず、<1>独禁法の特例とは、地銀同士の統合・合併等を独占禁止法の適用除外とする特例法が今年11月27日に施行されたことだ。今後10年間にわたる適用除外の期間中には、同一県内の地銀同士が合併し、融資シェアが高くなっても独禁法を適用しないという。

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現在、101行ある地方銀行のなかで、地銀1行体制の都道府県は、埼玉県、山梨県、石川県、京都府、奈良県、鳥取県の6府県に限られる。他の41都道府県内には、2行以上の地銀が存在している。特に、福岡県の5行、静岡県の4行が多く、岩手県、山形県、福島県、東京都、千葉県、新潟県、富山県、愛知県、三重県、大阪府、沖縄県では3行体制だ。こうした「数が多すぎる」都道府県では、地銀再編が真っ先に進むことになろう。

次に、<2>日銀による支援制度が挙げられる。日本銀行は11月10日、「地域金融強化のための特別当座預金制度」を導入すると発表した。地方銀行や信用金庫が、経営統合や一定規模の経営効率化を進めた場合に、日銀に預けている当座預金に0.1%の金利を上乗せし、事実上の補助金を出すという異例の措置となる。2023年3月末までの時限措置であり、期間限定で今のうちに合従連衡を選択すれば、金利優遇しますよ、というキャンペーンだ。