ウォール・ストリートで行われたデモ〔PHOTO〕Gettyimages

ポリティカル・コレクトネスの拡大と「2010年代のアメリカ社会」の深い関係

『アメリカン・マインドの甘やかし』(4)

なぜアメリカの大学ではポリティカル・コレクトネスを重視する風潮が強まったのか。その要因を「世代」にスポットを当てながら社会学的・心理学的に分析した書籍『アメリカン・マインドの甘やかし』(未邦訳)の議論を紹介する本連載。

第一回:「アメリカの大学でなぜ「ポリコレ」が重視されるようになったか、その「世代」的な理由
第二回:「「ポリコレ」を重視する風潮は「感情的な被害者意識」が生んだものなのか?
第三回:「アメリカでの「ポリコレ」の加熱のウラにいる「i世代」の正体

背後にある「三つの不真実」

これまで三回にわたって、憲法学者のグレッグ・ルキアノフと社会心理学者のジョナサン・ハイトの共著『アメリカン・マインドの甘やかし:善い意図と悪い理念は、いかにしてひとつの世代を台無しにしているか(The Coddling of the American Mind: How Good Intentions and Bad Ideas Are Setting Up a Generation for Failure)』(未邦訳)を引用しながら、日本との比較を交えつつ論じた。

 

ルキアノフとハイトは、アメリカの大学生は三つの誤った考え方=「三つの不真実」を信じている、と主張する。

自分が傷付くことを恐れるあまり自分の考え方や価値観とは異なるものについて触れることも拒んでしまう「脆弱性の不真実」、自分の感情は常に正しく他人に対して非難や攻撃を行うことを正当化する根拠になると思い込んでしまう「感情的推論の不真実」、そして自分たちとは異なる意見を主張する人のことをただちに悪人だと認定して集団で糾弾することを是とする「私たち対やつらの不真実」である。これら「三つの不真実」については、一回目と二回目の記事でくわしく紹介した。

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