モグモグタイムなどグリーン上の笑顔に多くの人がひきつけられているプロゴルファー・渋野日向子選手。先日プレー中にテレビ局の撮影スタッフがお菓子を手渡していることが発覚し、大きな問題となった。そのときに飛び出したしぶこバッシングに、ジャーナリストの島沢優子さんはいじめ問題に通じる危うさを感じたという。
それはどういうことなのか。小児科医の取材も含めて検証する。

2019年8月、2018年にプロ登録後、全米プロ女子ゴルフツアー初出場の「AIG全英女子オープン」で初優勝。「スマイルシンデレラ」と呼ばれて一躍人気者となった渋野選手。この時プレイの合間に食べていたお菓子「タラタラしてんじゃねーよ」は品切れになるほどのブームに Photo by Getty Images
島沢優子さん連載「子育てアップデート~子どもを伸ばす親の条件」今までの連載はこちら

渋野選手への意外なバッシング

女子ゴルフの大会で、中継局のスタッフがプレー中の渋野日向子選手(22)に複数回お菓子を手渡しし、日本女子プロゴルフ協会(LPGA)がテレビ局に厳重注意。それを受ける形で同局の社長が謝罪した。したことについて、小杉善信社長は「中継スタッフの軽率な行為によりまして、渋野選手はもとより、主催者である日本女子プロゴルフ協会、スポンサー各位、関係者のみなさま、ゴルフファンの皆様にご迷惑お掛けしました」とコメントした。

一方で、ネット上では「渋野が受け取らなかったら、ここまでの騒動にならなかった」「再三注意をされながらお菓子を渡すほうもだが、受け取るほうにも問題がある」「プレー中に接触するなんて」などと、渋野選手の対応を批判するコメントも数多く見られた。同選手は、このことを知ってなのか、大会最終日のホールアウト後に泣いていたという報道もあった。

協会側から厳重注意を受けても菓子を渡し続けた中継局のカメラマンは顔見知りだったそうで、受け取りを断れなかったのだろうと想像する。

この菓子渡し騒動で「しぶこバッシング」をする人たちは、アスリートとしての自覚云々を論点に彼女を非難していた。だが、最も責められるべきは、協会に厳重注意をされながら行為を続けたカメラマンという報道者であることは自明の理だろう。スポーツへ冒涜とも言える行為だと思う。
この報道者側の過誤が、「渋野も悪い」という声によって薄まる気がしてならない。