いま20代を中心に「全部読まなくてもよい本」がはやり始めている…!

「かじる世代」がハマった作品

おもしろくなければ離脱OK

「読み始めた本を最後まで読みなさい」そんなふうに言われてげんなりしたことはないだろうか? 途中で読むのをやめてしまった本が本棚に眠っていて、良心の呵責を感じたことはないだろうか? 

そんな気持ちから解放されていい時代がきている。

人生100年時代、今、時代は急速に「短い」に価値がうまれている

この、短さが評価される時代にマッチして、世界中で売れ始めている日本人作家がいる。現在、大好評アニメ放送中の「銭天堂シリーズ」廣嶋玲子だ。

その廣嶋氏の新シリーズが早速話題になっている。漢方薬屋さんの桃さんが、みんなの悩みや願いを解決するために日本中を飛び回る小説「怪奇漢方桃印シリーズ」は2020年7月にスタートし、早くも第三弾『怪奇漢方桃印 ぴったりなのね 木偶人形心丹』が12月に刊行された。スタートしたばかりだが、すでに韓国・台湾で発売が決定している。

短い時間で満足を得られるエンタメ

廣嶋玲子人気の理由を、韓国の出版社にきいた。

「子どもたちに身近なモチーフ、物語の構成が面白く、勧善懲悪の教訓がはっきりしているので、本を読むのが苦手な子どもたちにも入りやすく面白い。短編なので、読みやすく、読み終わったという満足感が得られます」

今、廣嶋作品に限らず、短編作品にどんどん注目が集まっている。短い時間で満足を得られるエンターテインメントが人気というのは、書籍に限ったことではない。

Youtubeでは5分以上かかる動画はクリック率が下がる。開始15秒で半分が見るのをやめ、30秒以上見るのは3分の1もいない……と言われている。

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さらに短い時間で勝負するtiktokが急速に総視聴時間を延ばしているのも、「短いが世界を制す」好例になる。

2020年6月のtiktok白書の中では、2000年代生まれのZ世代の特徴が「かじる世代」として表現されている。自分の興味をひく様々なメディアにとりあえずアクセスしてみる、とにかくやってみる、選択肢に対してすべてゆるく肯定していくといった姿勢を「かじる」と表現しているのだ。

この調査では「1分以上の動画は長すぎる」と感じるZ世代が4割にものぼることも明らかになり、「かじる」ために割く時間がどんどん貴重になっていることがわかってきている。