「掛け算の順序」「×、÷ の書き順」、小学校算数のあきれた規則

いったいなんのためにこんなルールが…
金 重明 プロフィール

ローカルルールの強制は本末転倒もいいところ

このようなルールは、その小学校のその教室の中でだけしか通用しない。一般の数学の世界では「いくつ分×1あたりの量」と書いてもまったく問題はないのだ。

もともとこのようなことがはじまったのは、「1あたりの量」をしっかりと教えよう、という動機かららしい。「1あたりの量」を内包量と命名し、子供たちにきちんと教えようとしたのだ。実際、子供たちは密度、速度、濃度、利率などの内包量を苦手としているから、これをきちんと教えるという方向性には賛成だ。しかしそれが、掛け算を書く順序などというローカルルールの強制になってしまっては本末転倒もいいところである。

算数にまつわる規則に関しては、習っていないやり方で解くと怒られるという話もあった。塾などでの先取り学習を毛嫌いしているらしい。しかし授業でやっていないことを自主的に学習していれば当然、ほめるべきだろう。国語で習っていない漢字を使ったらバツをつけられた、という話もあった。

【写真】無人の小学校の教室の白黒写真Photo by dejankrsmanovic / iStock

結局のところ、教師が「すべて自分の指示通りに動け」とばかり、子供をロボットのように操縦したがっているのだ。

教室の中では、教師と生徒との力の差は圧倒的だ。教師がよほど気をつけないと、おぞましい独裁社会と化してしまう。密室の中で掛け算の順序をはじめ、わけのわからない教育が行われているのが日本の現状であるらしい。

(この記事は『やじうま入試数学』の内容を再編集したものです)