医師から「薄皮まんじゅう」のようだと言われ…宮本亞門が語る「前立腺がん」からの生還

ジャンルを超えた演出家として知られる宮本亞門さん(62)が、この10月1冊の本を上梓した。タイトルは『上を向いて生きる』(幻冬舎刊)。帯の惹句に「人生の悲劇は見方を変えれば喜劇にもなる〜突然のがん宣告、復帰直後に襲ったコロナ禍……」とある。

本記事では、ご本人にこの本を書いたきっかけを訊いた。ホリプロの応接室に現れた宮本亞門さんは、濃紺のチェックのスーツ姿。背筋がピンとしていて実に若々しい印象だった。

「昨年がんが発覚し手術しました。それで出版社から『がんのことについて書いて欲しい』と言われたのが最初のきっかけでした」

青天の霹靂——前立腺がんに

亞門さんは、2019年2月にテレビの健康番組『名医のTHE太鼓判!』(TBS系)に出演した。この番組は、出演者が事前に人間ドッグを受けて、その診断結果に基づいて数十名で構成されている医師団からアドバイスをもらうという内容である。

「病院から帰ってきたら、事務所から『至急、もう一度病院に行ってください』という連絡があったんです。行ってみると、病院の先生から『前立腺に影があります。精密検査を受けるように』と言われました」

泌尿器科の専門医を紹介され、すぐその病院を訪ねた。前立腺の生検を取る検査が行われ、前立腺がんであることがわかったと言う。

 

精密検査を受ける病院での亞門さんの様子も番組の一環として撮影されていた。サービス精神旺盛な亞門さんは、周囲には普段と変わらず明るく振る舞っていたのだが、内心では不安と恐怖でいっぱいだったらしい。

「がんについての知識がまったくない僕にとって、まさに青天の霹靂。静まりかえった自分の部屋に一人でいると、不安と恐怖が増幅されていきました。そんな時ってどうしても悪い方、悪い方へと想像してしまうんです」