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公式丸暗記教育が生んだ「試行錯誤」のできない日本の学生

いまこそ根本的な教育改革が必要だ

2020年を振り返ると、世界中がコロナ禍で大変な1年であった。コロナに対する特効薬やワクチンの開発を期待して新年を迎えることになるだろう。

今年の前半、コロナの感染者数の推移を予測する「数理モデル」がとくに注目された時期があった。筆者も、「ロジスティック曲線」というモデルで自分なりに考えてみたい、と思ったこともある。

筆者にとってその方面は全くの分野外であるが、日本における数理モデルの理解に対する危惧が表面化した。コロナに関することだけに仕方がなかったのかも知れないが、あまりにも「当たったか、当たらなかったか」という結果に対してのみ多くの人達の目が注がれたことである。

結論だけに注目することの弊害

そもそも、数理モデルの研究は“改良”の歴史であると言えよう。そこにおいて大切なことは、「どのようなデータを用いて、どのような式を用いて結論を出したか」ということである。その辺りを無視して結論だけに目を注いでいると、数理モデルを通しての研究全般にブレーキを掛けてしまうことにもなり兼ねないだろう。

実は日本の子ども達の学びに関しても、それと似ている面をここ数年、強く感じている。途中のプロセスは無視しても、「最後の答えさえ当てればよい」という意識が蔓延しているのだ。

理解を無視しての公式や「やり方」の暗記があまにも目立つ。「速さ・時間・距離」に関しては、「たとえば時速20kmとは1時間に20km進む速さである」ということを理解すれば済むことを、そのような理解が覚束ない子ども達が、「は・じ・き」なる図式の暗記から入る学習。

この図の使い方だけを覚えても本当の理解にはつながらない

「比べられる量・もとにする量・割合」に関しては、「基準とする対象を1あるいは100%とすると、比べられる対象はどのくらいになるか」という理解が最初に大切であるものの、そのような理解が覚束ない子ども達が、「く・も・わ」なる図式の暗記から入る学習。

「2次方程式の解の公式」の証明を学ぶことはカットし、暗記した結果だけ適用する学習。放物線と交わる直線によって囲まれる部分の面積は、積分を無視して日本固有の「1/6公式」なるものの暗記だけで乗り切る学習。等々、枚挙にいとまがない。

上の内容に関して補足的なデータを紹介しよう。

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