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斎藤工さんは「男の敵」?! ふかわりょうがそう断言する「真意」とは。

『世の中と足並みがそろわない』(1)

お笑い芸人ふかわりょうさんの不器用すぎる日常を切り取ったエッセイ集『世の中と足並みがそろわない』が発売日に即重版するなど大きな話題になっている。

タイトル通り、どこにもなじめない、何にも染まれないふかわさんは、幼少期からずっと、世の中との隔たりと向き合ってきた"隔たリスト"だという。

スマホ画面が割れたままの女性、「ポスト出川」から舵を切った30歳、誰も触れなくなった「結婚」のこと、そしてタモリさんからの突然の電話――。そんな、ちょっといびつだけれどニヤリと笑える全22編の中から、イケメンの功罪について鋭く分析した一編「男の敵」を特別公開する。

「男の敵」

「女の敵は女」。根拠はわかりませんが、旦那さんが不倫をしたら、怒りは旦那よりもその相手に向かうということでしょうか。女性に「泥棒猫!」と罵るけれど、男性に「泥棒犬!」と言ったら番犬のようにさえ聞こえます。漫画やドラマの描写にある、給湯室やトイレで陰口を叩くイメージがあるからか、女子は複数集まればすぐに悪口大会が始まる印象。おしゃれなカフェでパンケーキを食べながら、いない人の悪口を言うのが女子会なのだと思っています。相変わらずの先入観と偏見をお許しください。

では男の敵はどうでしょう。男でしょうか。私は、男の敵は斎藤工さんだと思っています。あの「斎藤工」さんです。彼が世に出たときから怪しいなと思っていましたが、断言します。彼こそ、男の敵です。

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映画やドラマ、CM、数々の作品に出演している、日本が誇る素晴らしき俳優。『昼顔』は、男の私が抱かれてもいいとさえ感じました。子犬のような瞳、柔らかそうな分厚い唇。ユニークな役も自然に演じ、お笑いも好き。交友関係も幅広く、庶民的で性格もいい。最近は、出演だけでなく監督もされるそうで、もはや無双状態。これほど迷惑なことはありません。申し訳ないですが、あのような完璧な方が存在すると、我々のような「や、優しそうだね!」としか言われない男はどんどん肩身が狭くなり、女性から虫を見るような目しか向けられなくなるのです。

天は二物を与えることくらいは知っています。しかし一般的には、イケメンだけど性格が悪いとか、男前だけど笑いのセンスがない、みたいにどこかでバランスを取ってくれるもの。なのになのに! 全てクリアしていておかしいじゃないですか。こうなると、露出狂になるか、スーパーで万引きGメンに引き摺り出されるくらいのことがないと辻褄が合いません。いや、たとえコートをばさっと開いても、「いいなぁ〜、私の前にも現れてほし〜」なんて声が上がるのでしょう。斎藤工さんのおかげで、理想の男性の基準がぐんと上がり、我々のようなしょうもない男たちは完全に行き場を失うのです。

私なんか、ただじっとしていても変質者扱いされるくらいですから、万が一コートをばさっと広げたらそのまま地獄行き。もう生きては帰れません。一方、運動神経が良くてもキャーキャー、運動神経が悪くても「可愛い!」「もっと好きになった!」。どう転んでも称えられる彼の好感度。ドラえもんがいたら「もしもこの世から斎藤工がいなくなったら」と言うでしょう。いや、その前に、斎藤工さんの日常を味わってみたいものです。一体、どんな世界を生きているのか。きっと見える景色が違うはずです。どこへ行っても人気者。ディズニーランドのミッキーのような感じかもしれません。