「ロシアの妖精」の異名を持ち、2018年平昌冬季オリンピックの銀メダリスト、世界選手権の覇者としても知られるフィギュアスケートのエフゲニア・メドベージェワ選手(21歳)が、12月1日、自身のインスタグラムを更新した。
ブラウンのベレー帽、ジャケットを身につけ、スイーツを前にして微笑む姿、神妙な表情でスイーツをつつく姿など、3枚のプライベートショットを披露したのだが、その美貌とも合間ってまるでドラマのワンシーンのような完璧な雰囲気である。
…とこれだけ見ると、何気ないアスリートの楽しげなプライベートショットだが、一方で、投稿に添えられたコメントは、
〈長い休止期間を経て、通常の生活に戻ってきています。11月のことは忘れて、前に進んでいます〉
と、どこか真剣な雰囲気が漂うものである。
じつはこのところ、メドベージェワ選手にとって苦しい期間が続いてきた。2018年に本拠地をカナダへ移したことで、一部のファンから「ロシアを捨てた裏切り者」と批判され、今年の8月には、ロシアスケート界の大物コーチからも、「ロシアには彼女以外にも才能豊かな選手がいる」と遠回しに非難されていたのだ。
引退についてもつねにウワサがついてまわり、今年8月25日には「リタイアしたら自伝を書く予定がある」という具体的な話も報道されていた。
ところが今年11月に入ってから、2018年まで指導を受けていたロシアのエテリ・トゥトベリゼ氏を再びコーチとして迎えることが発表された。
新型コロナウイルス感染疑惑やかねてから悩まされてきた背中の痛みのため、11月に開催されたロシアカップ第4戦は欠場、12月に開催予定の第5戦にも欠場する予定で、たしかに短期的に見れば、順風満帆とは言えない状況だ。
しかし、今回のインスタの投稿からは、長期的に見れば、ロシアに帰ってきたことが彼女にとってポジティブなことだったのだろう、そして、これから次なる戦いに挑んでいくのだろうと思わせられる雰囲気が滲んでいる。〈11月のことは忘れて、前に進んでいます〉という言葉がそれを示している。
コメント欄には「お帰りなさい!」というファンからのコメントも寄せられていた。