食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。今回は、音楽界の“グルメ番長”ホフディランの小宮山雄飛さんが登場。京都・祇園にある和菓子店の逸品をオススメいただきました。

小宮山さんが今までに紹介したグルメはこちら▶︎

祇園で300年続く老舗店は
材料・道具・製法にこだわりあり

江戸中期・享保年間創業、300年の歴史を誇る老舗「鍵善良房」。伝統的な餅菓子で長年支持されている「鍵もち」が、雄飛さんイチオシの逸品です。

「求肥にきな粉をまぶしてあるのですが、生っぽいプルプル感と和菓子としてのしっかりした食感を両立した、実に絶妙な口当たりが特徴

甘さがまたギリギリのバランスで、甘すぎず、かといって和菓子としてしっかり満足できる、その加減が本当にお見事です」

鍵もち 12個入¥1800(税込み)

雄飛さんが賛辞を送る唯一無二のふわっと軽い食感。その秘訣は、丹念に練り上げられた求肥にあります。国産の米粉を炊き上げる昔ながらの製法で、砂糖のほか、卵白を加えるのがポイント。それらを時間をかけて空気を含ませながら仕上げていきます。

「口に含んで噛み切ろうとすると歯に心地よい弾力を感じ、そのまま噛み進めていくと、ある時点でプチっと心地よく表面が噛み切れ、その後は独特のネチっとした食感がやってきます。さらに完全に噛み切る時にまたプチっと良い食感。

ただ餅を食べるだけの行為なのに、これがちょっとした快感なのです。ただの求肥でそこまで快感が!? と思うでしょうが、こればかりは食べていただかないとわかりません。ぜひとも京都に行った際はお土産に買ってみてください」

鍵もちだけでも老舗が生み出す和菓子の素晴らしさを感じられそうですが、ほかにも逸品が多数あります。お店の代名詞といえる「菊寿糖」は、和三盆製の干菓子。名前の通り、菊の花をかたどっており、見た目から華やか。

菊寿糖 20個入(紙箱)¥1100(税込み)

徳島県阿波市土成町の和三盆糖を使って作られる工程が大掛かり。サトウキビの汁を搾り取り、その絞り汁をアク抜きしてから煮詰めて冷まして作る白下糖から糖蜜を取り除いて仕上げるというもの。ここまでに3週間を要します。これは江戸時代から続く製法だとか。

その和三盆糖を使って作る菊寿糖には、「木型」を用います。その木型にも歴史あり。ずいぶんすり減った姿がその年月を物語ります。

雄飛さんオススメの「鍵もち」と同じく歴史を感じられます。合わせてお土産に買ってみてはいかがでしょう。

お店は四条本店のほか、近くに「ZEN CAFE」もあります。鍵もちは食べられませんが、上生菓子やくずもちなどがいただけます。京都散策の休憩がてらにぜひお立ち寄りを。

鍵善良房 四条本店
京都市東山区祇園町北側264
☎075-561-1818
営業時間:9:30~18:00、喫茶10:00〜18:00
(新型コロナウイルス感染拡大防止対策の営業時間、事態を見て変更の可能性あり)
定休日:月(祝日の場合は翌火休)
https://www.kagizen.co.jp/

PROFILE

小宮山雄飛 Yuhi Komiyama
ミュージシャン。ホフディランのヴォーカル&キーボード。音楽活動の傍ら、日本初のレモンライス専門店『Lemon Rice TOKYO』を渋谷にオープン。自身が生まれ育った渋谷区の観光大使もつとめる。2020年11月より渋谷区初のCEO(Chief Eat Officer)に就任した。

Illustration:YUGO. Composition:Seiki Ebisu