先日、とある「レズ風俗」を名乗るお店が、女性キャスト同士の性的な行為を男性も含む客に鑑賞させるサービスを提供したことに対して、一部で批判が起こった。「レズ風俗」とはその名からも想像がつく通り、女性キャストが女性客に性的サービスを施すお店である。こうした女性が女性と性的な関わり合いを楽しむためのサービスが、「レズ」という名のもと、男性向けの性的コンテンツとして利用される構図が批判をされたのだ。

ただ、僕が今回問題提起したいのはこの点だけではない。そもそも「レズ」という、女性同性愛者にとって差別的な蔑称になるこの言葉を、気軽に使っていいのか、という点である。

蔑称がメジャー化することへの危機感

僕は10年ほど前、「売り専」と呼ばれる、男性キャストが男性客に性的サービスを施すお店で働いていたことがある。だが当時は今と違い、「レズ風俗」について書かれた記事をウェブニュースで見かける機会はまだあまりなかった。この数年で、女性利用者によるルポルタージュや、それを取り上げた記事が注目を浴び、その言葉が市民権を得てきているようだ。

最近、同性の恋人を持つ女友達ともこの話題について話をしたのだが、「レズ風俗」という言葉がメジャーになり、蔑称が気軽に使われ始めることを彼女は危惧していた。

ゲイである僕も、BL界隈でゲイの蔑称である「ホモ」という言葉が気軽に使われている場面を見た時、言い知れぬ嫌悪感を抱いたのを覚えている。

写真はイメージです(以下同)〔PHOTO〕iStock

もしこれらの言葉を使っている人に偏見や差別の意識がなくとも、「レズ」や「ホモ」という言葉には差別的な文脈で使われてきた歴史がある

「ゲイ」や「レズビアン(もしくはビアン)」という呼称であれば、不要なトラブルも防げるので、非当事者が使う場合にはこちらの言葉をおすすめしたい。中には気にしないという当事者の方もいるだろうし、その上で互いに信頼関係が築けているのであれば、非当事者と当事者の間でその言葉を使っても別に構わないとは思う。

しかし嫌がる当事者が多いのも事実で、信頼関係が成り立っていない人間に対して使うのは避けるべきだし、たとえ信頼関係があってもオフィシャルな場で使うことは好ましくない。