SNSの依存度はヘロインに匹敵か…? 新時代の弊害『スマホ脳』の危ない実態

精神科医、アンデシュ・ハンセンからの警告
アンデシュ・ハンセン

SNSで常に自分と周りを比較する

ヒエラルキーの中で自分の居場所を確立することは必須だ。その居場所が私たちの気分に大きな影響を及ぼす。上の地位から降りることで精神的にやられるのはわかる。だが少し立ち止まって、それがどういう意味を持つのか考えてほしい。

他人と競争して負ける、特に地位が下がると、人は不安になり心の健康を損なう。なのに、現代の私たちは競争ばかりしている。スポーツで競う。数学のテスト結果で競う。フェイスブックやインスタグラムを通じても競い合っている。

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バカンスにいちばん珍しい場所へ旅行した人は誰? いちばん友達が多いのは? バスルームにいちばん高いタイルを貼ったのは? どの「部門」でも、勝つのはいつも自分以外の誰かだ。

だが、人間は今までもずっと競い合ってきたのでは? もちろんそうだ。しかし、今の競技場はほんの20~30年前と比べてもまったく別の物になっている。私が子供の頃は、自分を比べる相手はクラスメートくらいだった。憧れの存在といえば、手の届かない怪しげなロックスターくらいで。

今の子供や若者は、クラスメートがアップする写真に連続砲撃を受けるだけではない。インスタグラマーが完璧に修正してアップした画像も見せられる。そのせいで、「よい人生とはこうあるべきだ」という基準が手の届かない位置に設定されてしまい、その結果、自分は最下層にいると感じる。

ヒエラルキーにおける地位が精神状態に影響するなら、この接続(コネクト)された新しい世界──あらゆる次元で常にお互いを比べ合っている世界が、私たちの精神に影響を及ぼすのはおかしなことではない。

SNSを通じて常に周りと比較することが、自信を無くさせているのではないか。まさにそうなのだ。フェイスブックとツイッターのユーザーの3分の2が「自分なんかダメだ」と感じている。何をやってもダメだ──だって、自分より賢い人や成功している人がいるという情報を常に差し出されるのだから。特に、見かけは。

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