相撲人気復活に水を差す横綱審議委員会の「老害的超上から目線」

横綱の権威を守る前にやるべきこと
西尾 克洋 プロフィール

横綱の権威を守る機関の権威

そうなると、今後、解決が必要なのは、横綱審議委員会に「感情的に共感できない」という点だろう。

共感できない根底にあるのは、大きく分けて「批判ばかりしている」ということと「上から目線で偉そう」という二つの問題だ。

繰り返しになるが、横綱審議委員会は横綱の権威を保つという目的があるため、職務を遂行するため厳しいことを言わねばならない立場である。横綱審議委員会関連の記事を読めば分かるが、好成績をあげた力士に対する評価コメントを残すこともある。

ただ、見出しになるのはどうしても批判の方だ。横綱審議委員会が賞賛してもそれほどニュースとしての価値は無いが、批判であれば多くの方が反応する。なぜなら横綱審議委員会ほど嫌われている組織はないからだ。

〔PHOTO〕Gettyimages

批判そのものは仕方がない。問題は「言い方」ではないか。

横綱審議委員会による横綱批判に関する記事は、なぜか横綱をフォローする言葉が加えられていることは無く、批判に終始していることが殆どだ。私の記憶の中では稀勢の里の時に少し見られた程度かもしれない。

例えば、今回の「注意」一つを取っても、鶴竜の帰化に言及し年寄株取得プロセスの見直しを求めていれば印象は違っただろうし、歴代優勝回数1位である白鵬のこれまでの実績に対して最大限の敬意を示したうえで、断腸の想いで「注意」の決議に至ったということであれば、批判一色にはならないだろう。

横綱審議委員会のメンバーにも、大相撲に対する熱い想いや横綱に対するリスペクトはあるのかもしれない。いや、それがなければこの損しかしない諮問機関に所属することはないだろうし、ないと信じたい。

横綱審議委員会が支持されないことの最大のデメリットは、横綱の権威を守る機関としての権威が失われることによって発言力が低下し、当初の目的を果たせなくなることにある。平たく言うと、世論に馬鹿にされている組織に何を言われても横綱には響かないということだ。

横綱の権威を守るためには権威ある組織になる必要があり、そのためには人々からの支持を集めねばならないのであれば、まずは支持を集めるに相応しい言動を心掛ける必要があるだろう。

 

横綱審議委員会に発言力があれば、白鵬もここまで好みの別れる存在にはならずに済んだのかもしれない。現在の横綱だけではなく、将来の横綱とその権威を守るためにも、相撲愛が伝わるコメントや決議をしていただきたいものである。

記事が出る度に不要論を唱えられる組織であることを重く捉え、横綱の権威を守る前にまず、地に落ちた自らの権威を回復させるために最大限の努力をしてほしい。

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