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トランプの大失態…じつは「中国経済の台頭」を強力に後押ししていた…!

強硬にやった結果がこれだ

前回のコラムでは、中国人の「爆買い」が国内のネット通販に向かっており、輸出に依存する従来型の経済モデルから国内消費を軸にした内需経済へと転換する可能性について指摘した。中国が消費大国として成長することは、世界経済のブロック化を促すことになり、日米関係を基軸としてきた日本にとって都合のよいことではない。

本来であれば、日米が主導する自由主義的なグローバル市場に中国を誘導し、国際社会における影響力を削ぐという戦略が有効であり、実際、米国はそうした戦略を推進してきた。だが、この戦略をすべて壊してしまったのがトランプ大統領である。

トランプ政権が仕掛けた米中貿易戦争によって、米中は完全に分断されつつあり、中国は内需拡大に舵を切っている。米国はこれによって中国に対する決定的なカードを失い、中国を封じ込めることが極めて難しくなった。バイデン政権は事態の回復を試みるだろうが、交渉は難航するだろう。

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関税は中国に対する最大の交渉材料だった

中国はこれまで世界の工場として多くの工業製品を輸出しており、中国経済は輸出に依存する形で成長を続けてきた。中国の経済モデルは昭和時代の日本とよく似ており、輸出産業の設備投資や国内のインフラ整備を目的とした公共事業が経済の原動力だった。実際、中国のGDP(支出面)における設備投資の比率は今の日本よりも高く、まさに製造業立国と言って良い。

戦後の歴史を思い返してみれば一目瞭然だが、輸出主導型経済の国にとって、貿易相手国が保護主義に傾く事は何よりも怖い。年配の読者の方であれば、日米貿易交渉が行われるたびに、高い関税が課されないか日本中がビクビクしていたことを鮮明に思い出せるはずだ。

これはウラを返せば、輸出立国と交渉するには、関税を切り札にするのがもっとも有効ということでもある。当然のことだが、この話は今の中国にもピッタリと当てはまる。中国は米国に対する輸出で経済を成り立たせており、中国がもっとも恐れていたのが、米国への輸出が滞ることであった。

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