著者であるコラムニストの堀井憲一郎さんと初めてラーメン二郎に行くことになった男子大学生ユウくん。前日夜に堀井さんは注意事項として長大なメールを送っていました。その長文メールを一挙公開。
【前編】「ラーメン二郎に「初めて行く若者」に、二郎好きが送った「アツすぎるメール」の中身」はこちら
ヤサイから食べてはぜったいいけません(慣れてからは自分なりの食べ方をしても大丈夫ですけど)。
ダイエットには、まず最初に野菜サラダをたくさんたべてから食事するという方法がありますが、あれは野菜で腹を膨らませて量を食べなくてする方法で、つまりその理屈の逆の論理になります。
ラーメンが出たら、ヤサイを見ない。まったく見ない。刺身についてるダイコンのツマと同じようなものだとおもってください。
とにかく、麺から食べてください。
どーんと盛ってあるヤサイを少しどかせて、端っこに穴をあけるとかして、下から麺をひきずりだして、ヤサイをまったく無視して、ひたすら麺を食べましょう。
ラーメン二郎は、とにかく麺さえ食べきれば、それでオッケーです。
麺を食べきって、ほかのものを少し残した場合は、「やや劣勢の引き分け」と言えるでしょう。でもヤサイは全部食べたけど麺を残したというのは「完全な敗北」となります(自分で経験してみたら「引き分け」とか「敗北」の感覚がすごくわかるとおもいます)。
麺を食べきること。
それが二郎に入ったあなたに課された使命です。
そして、二郎は、とにかく麺の存在感と、そして麺の旨さがすごいです。
スープを全力で吸い込んだ麺を食べることが、それが二郎の楽しみのほとんどだと言っていいでしょう。スープをわざわざ飲む必要がないのは、スープのうまさはほぼすべて麺が吸い取ってくれているからです。麺を食べてうまいとおもった以上のうまさは、スープを飲んでもそんなに感じられるわけではありません。
まあ、スープ飲むほどの余裕がないからということもありますが、麺を食べたあとにスープ飲んでも、「ん?なんか、うまさのリピートじゃね?」と私はいつもおもっています(うまさのリピートだから、嬉しいものではあるんですが)。余裕あればリピートを楽しめばいいですが、だいたい余裕がないことが多いので、麺と具さえ平らげれば、それで終了です。