# 医療

「アフガニスタンの英雄」故・中村医師の心を支えた「3人の偉人」の言葉

追悼2 宮澤賢治などの作品に感銘を

●第1回はこちら → https://gendai.ismedia.jp/articles/-/77857

2019年12月4日に、にアフガニスタンで銃弾に倒れた中村哲医師への追悼記事の第2弾。友人で医師の堂園晴彦氏の寄稿だ。

今回は、中村先生が影響を受けた過去の偉人について触れる。そこには、意外な素顔が垣間見える。

キリスト教徒の内村鑑三に何故惹かれたのか

講演会の時に、高校生が中村哲先生のようになるには、どのような本を読んだらいいかという質問に、内村鑑三の『後世への最大遺物・デンマルク国の話』(岩波文庫)を薦めていました。

この本は明治30 年に出版された古典的名著です。

武蔵野大学の貝塚秀樹教授は、この本には「誰にとっても実践可能な生き方とは何か、私たちは後世に何を残すことができるかが、主なテーマとして書かれている」と、解説しておられます。

 

「後世に遺すことができる第一はお金であるが、お金を稼ぐ才能の無い人は事業を遺せばいい。

事業をなすための才能も地位もない人は思想、つまり、著述を遺せばいいが、誰もが思想を遺せられるわけではない。『お金』も『事業』も『思想』も価値あるものだが、誰もが遺せるものではなく『最大遺物』といえない。

それでは、誰もが後世に遺せる最大遺物とは何か。内村鑑三は、『勇ましい高尚なる生涯である』と、述べている」と、貝塚氏は書いています。

私は本を読み、内村鑑三は、「何をなしたか」ではなくて、「何をなそうとしたか」こそが最大遺物であると、伝えたかったのだと思いました。

中村先生の生涯は、正に「勇ましい高尚な生涯」であり、現代人が生きるのに必要なのは、「何をなしたかでなくて、今何をなそうとしているのか」であると、残された私たちが問われている気がします。その点は、特に亡くなられてからの色々な報道を通してより明確になっていると思います。