ニセコの「ひらふ坂」 Photo by gettyimages

「ニセコ」本の担当編集者が3億円レジデンスに泊まってわかったこと

『なぜニセコだけが世界リゾート』後記
北海道のニセコは、この6年連続で地価上昇率が全国一位だったことをご存じだろうか。スキーヤーならニセコのパウダースノーを知っているだろうし、外国からも大勢が訪れていたことはスキーヤーではない私でも知っている。それにしても、何があってこのような驚くべきことが起きているのか。ニセコ歴20年、外資系金融機関で富裕層ビジネスに取り組み、いまや独立してコンサルタントをされている高橋克英さんが分析した『なぜニセコだけが世界リゾートになったのか 「地方創生」「観光立国」の無残な結末』を編集して、その理由がよくわかった。そこにはコロナ禍の苦境から地方が脱するヒントがありそうだ。

信じられない事実を見に行かねば

高橋さんの原稿には信じられないような事実がたくさん書かれている。1棟5億円もの値札が付いている別荘がある。ご当地コンビニではドンペリニョンを売っている。ラグジュアリーホテルの進出が相次ぎ、今年はパークハイアットとザ・リッツカールトン、数年後にはアマンも開業する。ホテルでは日本人客でも英語で話しかけられる。しかもコロナ禍で全国の観光地が苦戦しているというのに、今も着々とアジア系企業による投資が続いている。

 

うーむ、これは本当のことなのだろうか? いやもちろん本当なのだろう。しかし、担当編集者たる者、一度も現場を見ずに校了していいのだろうか。帯のコピーひとつ書くのだって、リアルに見ないとウソくさくなりはしないか。といっても、Go To Travelキャンペーンも当初は東京発着が除外されたくらいだ。北海道まで行くのはいささか気が引けて、現地に行く決断がなかなかできなかった。悩んでいるうちに校了日が近づいてくる。東京除外が終わったのを機に、休暇に一人で行くなら構わないだろうと、11月中旬にニセコを訪れた。

ひらふ坂と「蝦夷富士」とも呼ばれる羊蹄山 Photo by gettyimages

ニセコのリゾートエリアの第一印象は、圧倒的な発展途上感だ。6年連続地価上昇率一位となったポイントは、スキー場「グラン・ヒラフ」に向かう「ひらふ坂」にあり、東京都心にそのままあっても違和感ないおしゃれな商業ビルなどが建っている(本のカバーに使った写真の下の部分だ)。この近くにあるコンビニ「セイコーマート」には、たしかにドンペリが売られている。しかし周囲はまだいくらでも土地があり、開発を待っている状態だ。

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