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意外と日本はやりやすいかも…バイデン新政権の対中警戒外交を読む

中国が世界を支配するための2つの道筋

バイデン政権、外交チームの顔と中身

11月23日、バイデン政権移行チームは、長年にわたり、バイデン氏側近であった2人の専門家、ジェイク・サリバン元副大統領補佐官(国家安全保障担当)の国家安全保障問題担当大統領補佐官への就任(議会承認不要なため)、トニー・ブリンケン元国務副長官を国務長官への指名(議会承認が必要)を発表した。

トニー・ブリンケン米次期国務長官(右) photo by Gettyimages

バイデンの「分身」といわれるサリバン、ブリンケンという側近、そして、これらの人事の進め方は、次期政権の対中政策を予想するのに大きな材料を提供してくれる。

他の人事では、国連大使に、アフリカ系の女性、リンダ・トーマス=グリーンフィールド元国務次官補(アフリカ担当)、国家情報長官に女性の、アブリル・ヘインズ元国家安全保障担当大統領次席補佐官、国土安全保障省長官に、ヒスパニック系のアレハンドロ・マヨルカス元米市民権・移民業務局(USCIS)局長の指名が発表された。また、ジョン・ケリー元国務長官を気候変動問題の大統領特使に起用する(議会の指名不要)と発表した。

この人事は、バイデン政権のおかれた政治的な環境の反映でもある。

民主党は、来年1月5日のジョージア州の上院選挙の2つの決選投票で民主党が2議席を確保しなければ、上院で過半数を維持することができない。もし、2議席を確保したとしても、50対50の同数であり、議長役のカマラ・ハリス次期副大統領の1票だけの過半数であり、共和党議会の意向は無視できない。

一方で、打倒トランプのために予備選でトランプ支持に回ったバーニー・サンダース上院議員ら民主党内左派の意向も無視できない。今回の人事は、双方向を睨んで絶妙なバランスをとったものだ。

 

外交・安全保障政策の主軸となるサリバン氏とブリンケン氏は中道現実派で、特にサリバン氏は中国に厳しく、国防予算を抑制したい左派の好みではない。その代わり、左派の合意が得られやすい気候変動政策を、リベラルなケリー元国務長官に担当させることでバランスをとった。また、アフリカ系の女性の国連大使、ヒスパニック系初の国土安全保障省長官(メキシコ国境の不法移民警備もその任となる)、女性初の国家情報長官など多様性を重視しており、ここも党内左派にアピールする要素だ。