地球帰還まであと2日!「はやぶさ2」が成し遂げた「宇宙史」的快挙

生命の「由来」を知るための旅
林 公代 プロフィール

誰も見たことがないミッションを映像化する意味

――改めて今回の『劇場版HAYABUSA2~REBORN』で特に監督が伝えたかったところや狙いを教えて頂けますか?

上坂:僕が「REBORN」を作ったのは「はやぶさ2」ミッションの手ごたえを感じて欲しいと思ったからです。「はやぶさ2」は一見トラブルがなく、ドラマがなかったように見えますが、実際は小惑星リュウグウに到着したあと、予想していた平坦な着陸地点がなかったり、着陸のために運用方式を変えたりと大変な苦労がありました。

――大成功の裏には大きな壁や困難があったと。

上坂:はい。多くの人は「小惑星リュウグウに着陸しました」、「サンプルをとりました」というニュースを聞くしかないですよね。実際に探査機がどう動いて、どんな困難を乗り越えたのか。その複雑なミッションを「はやぶさ2」ミッションチームも含めて誰も見たことがありません。その詳細をビジュアルで見せることで、応援する多くの人たちに手ごたえを感じて欲しい。だから「はやぶさ2」の動きを正確に、精密に再現しようと神経を配りました。

(c)HAYABUSA2〜REBORN製作委員会

――なるほど。具体的にミッションの山場についてお聞きしたいと思います。まずリュウグウに到着したとき、岩が全体に広がっていましたね。

上坂:実は僕はもっと凸凹していると思っていたんです(笑)。ただ凸凹はあっても平らな場所はあるだろうと予想していたのに、まったく平らなところはない。「これはどうするんだろう」と心配になりました。

 

――映画でも真っ黒なリュウグウがどーんと出てきます。JAXAからデータをもらって?

上坂:リュウグウ到着後、探査機は自転するリュウグウの写真を何枚も撮っていますが、論文が発表されるまでデータはいただけませんでした。公開してくれたのはJAXAがCGで作ったリュウグウ。それを僕らは解析してデジタルモデルを作った。逆の作業をしたわけです。公開されたCGは荒いものだったので、写真を見ながら岩を一つ一つ配置していったりもしました。論文発表後は画像処理する前の生データを見せてもらいましたが、リュウグウは炭のようなマットな天体だということがよくわかりましたね。

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