Photo by den-belitsky/iStock

天文学は専門家だけのものではない!日本天文学会の発足から今日で113年

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

日本の天文学の基礎を築いた寺尾寿

1908年の今日(1月19日)、日本天文学会が発足しました。

日本天文学会は、天文学の研究・観測に関わる18人の日本人学者によって設立されました。初代会長となったのは東京天文台(現・国立天文台)の初代台長でもあった寺尾寿(てらお・ひさし、1855-1923)です。

寺尾寿

彼は東京大学理学部物理学科を卒業後、フランスで天文学を学びました。帰国後は、東京物理学校初代校長や、東京大学理学部星学科の教授を務めました。日本初の海外観測隊としてインドで日食の観察をし、コロナを写真に収めたことでも知られます。

天文学は専門家だけのものではない

日本天文学会の創設は一般大衆への天文学の普及という目的もあったようです。機関誌『天文月報』の創刊の辞には天文学に対する2つの誤解として、
 1.天文学は唯徒らに高尚なもので実用に遠し
 2.天文学は徹頭徹尾煩雑なる数字の結合
と考えられていることが挙げられています。

星の動きを読んで農業や航海の役に立てるという天文学の実用的な側面に目を向けつつ、人間の一生という単位では及びもつかない星という遠大な存在を解明したい……という「精神的欲求」にも訴えかけていたのです。

2019年から、日本天文学会は「日本天文遺産」の認定を始めましたが、その対象には望遠鏡や天文台といった近代天文学の産物のみならず、古代の人々の星に対する情熱を示すような記録も入っています。たとえば、奈良県明日香村に位置するキトラ古墳の天井は、太陽や月、夜空を回る70以上の星座が描かれています。古代人のあくなき情熱を示す天文学史上重要な遺物であるとして、2019年に日本天文遺産に登録されました。

キトラ古墳天文図・複製 (飛鳥資料館展示)CC BY-SA 4.0

関連記事