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人気女性漫画家2人が“異色対談”で語りつくした「創作秘話」「『逃げ恥』とジェンダー」「生きる術」…!

海野 つなみ, 山岸 凉子

あなたの作品には偏見がない

海野 描き始めた時は、結婚制度のことはあまり考えていなくて、どちらかというと恋愛装置としての役割ですね。草食男子が自分を恋愛まで持っていくことができないってなった時に「あなたの役割はこうですよ」と設定してあげれば、ロールプレイング的に演じることはできるんじゃないかって。

山岸 平匡くんが草食男子で童貞とか、みくりさんの叔母さんの百合さんも処女のまま閉経したとか、そういうことをサラリと描いてあるのも凄いなと思いました。

海野 今はそういう人がすごく多いというのがデータで出ているのに、漫画にはそういう人がなかなか出てこないし、出てきても恥ずかしいことみたいに描かれてしまうので、そこはちょっとハズしてみたいというのはありましたね。誰ともつきあったこともないし、性経験もない人が、実はたくさんいるんですよってわかるだけでも、すごくラクになるじゃないですか。

山岸 あなたの作品には偏見がないんですよ。あらゆる人を世の中のこうあるべきという役割からサラリと解き放っている。すごく先駆的だと思うし、リスペクトしています。ただ現実に、あそこまでの役割分担を受け入れてくれる男性がいるんだろうかと。最近結婚した女性から聞いた話ですが、「食器を洗うのは、あなたの役目ね」ってお願いしたら、「わかった」と言って、すぐ食洗器を買ってきたっていうんです。しかも食器を入れただけで、朝まで放ってあったと聞いて、若い人でもそういうものなのかなって。

 

海野 たぶん育った環境によっても違うだろうし、あとは都会と地方でもすごく違うだろうなというのは感じます。『逃げ恥』のドラマを観ても、都会の人は「あるよね」って思うんだけど、地方の人は「夢物語だよね」って。

山岸 女の人だけじゃなくて、男の人も「男なんだから」って役割を背負わされているわけで、求めすぎてもオーバーワークになってしまうでしょうしね。そのせめぎあいをやることが、これからの結婚の秘訣なのかなと。

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