取材・文/瀧晴巳
山岸 はじめまして。急なお願いで、ご迷惑かけたんじゃないですか。
海野 いえ、私でいいんですかとおどろきました。
山岸 今、一番興味のある作家さんだったので、ぜひ、お話ししたいと思ったのです。
海野 ありがとうございます。歴史もの、すごく好きなんですけど、2パターンあるじゃないですか。歴史の中にフィクションを入れて、想像の翼を広げて描く『日出処の天子』のようなパターンと、史実に基づいて細かく描いて、その人物を浮き上がらせていくパターン。『レベレーション(啓示)』は後者だと思うんですけど、それを選ばれたのはどうしてですか。
山岸 あなたが今おっしゃったように、本当は前者、自分の解釈したジャンヌでいこうと思っていたのです。でも描き出してみたら、自分の思い描いていた人物とは違うということに気づいて。史実のジャンヌ・ダルクになっていってしまったものですから、あなたのように歴史の好きな方はなんとか読んでいただけると思うのですが、そうじゃない方には申し訳がなかったなと。