息子の発達、実母や夫との関係にもプラス

こうしてAさんが築いた人間関係と自信は、子育てや家族との関係においても、プラスになっている。
 
「息子が、食べない、寝ない子だったんです。今までの経験から、相談のハードルが低くなり、早めに支援センターに電話して、使える支援を使おうと思いました。栄養士さんや心理士さんを紹介してもらい、緊急の一時保育も利用できました。幼稚園に入って、息子の発達に凸凹があるのではと気づきました。今は、ヘルパーさんをお願いできるので、食事作りや見守りを依頼しています」

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夫も、ようやく子育てに積極的になってきたという。「夫の出張が多く、ワンオペの時期もあるのは変わりません。でも昨年、私が肺炎になった時、夫に子育てを丸投げしてみたら、大変だと分かったみたいで、息子に関わるようになりました。息子が成長して、言葉でコミュニケーションを取れるようになったのもあり、子育てのハードルが下がったようです」

産後はきつく感じた実母とは、つかず離れずのいい関係でいる。「息子は、おばあちゃんが大好き。自分でテレビ電話をかけて、喜ばせています」

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さらに今は、地元の転勤族ママのサークル運営をしている。「最近はコロナで集まれないので、LINEでチャットしています。聞いてよー、しんどかった、やっと寝たよ、と心の叫びを、子供に聞かれずに共有できます。

幼稚園のこと、遊びに行くところ、お医者さんはどこがいいか、相談されることもあります。メンタルの相談はしにくいと思うので、LINEのノートなどに相談先を載せています」

昨年、Aさんはホームスタートの養成講座を受けて、自分がサポートする側のビジターになった。

NPO法人ホームスタート・ジャパン事務局の2019年の集計結果によると、67%の家庭が孤立感の解消を必要としており、98%が孤立感の解消に役立ったと答えた。Aさんのように、産前から不安定になる人もいる。産前産後の切れ目ない支援をするために、ホームスタートは2016年、産前の訪問も始めた。産前から関係があれば、産後にすぐ利用できて、虐待の予防やメンタルケアにつながる。