「産後うつは甘え」というツイートが今秋、話題を呼んだ。現実は、そんなことはない。妊産婦の死亡原因で一番多いのは自殺だと2018年、初の全国的な調査で明らかになった。今年は、新型コロナウイルスの影響で乳幼児検診が延期になった。子育て支援の現場で聞くと、「6月以降に検診が再開しても、感染予防のため『流れ作業』に。気軽に相談できる場がなく、うつになり、朝も起き上がれない、という母親の相談が10月になって増えた」という。虐待のニュースも後を絶たない。先日も冷凍庫から4カ月の赤ちゃんが遺体で発見される痛ましい事件が起きたばかりだ。「泣き声がうるさくて入れた」と母親が口にしていると報じられているが、産後うつも関係している可能性もある。

では、産後うつはどのように対応すればいいのか。
不安定になりやすい妊娠期から産後にわたって、うつを体験した女性に取材した。

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妊娠中から症状、つわりにも無理解の夫

東北地方に住むAさん(40代)は、4歳の子を持つ。妊娠中から産後に、うつを経験した。発作的に「飛び降りてしまいたい」と思うことが産後にたびたびあり、うつから抜けたかなと思ったのは、息子が2歳半ぐらいになったときだったという。

Aさんにうつ状態が現れたのは、妊娠中だった。通っていた産婦人科のある大学病院で、精神科を受診して「うつ状態」と診断された。体に配慮し、最低限の抗不安薬を飲みながら、自分の落ち込みをコントロールした。

落ち込みのきっかけは、夫の無理解でした。34歳で結婚して、子供は2人欲しいから急がなくちゃと思っていたところ、無事に授かったのはよかったのです。でも、それまでは週末しか会わなかった夫と、一緒に生活し始めたら、習慣や考え方など、すり合わせがいたるところに必要だということに気がつきました。

そのストレスに、強いつわりが重なった。夫がつわりの辛さを理解しようとしないことにいらだち、いらだつ私に、夫もいらだつという悪循環が生まれました。マスクをしても、においに敏感で気持ち悪かったですね。つわりが長く、妊娠7ヵ月ごろまで続きました」

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さらに、仕事やキャリアの悩みも重なって、うつ状態になってしまった。「私は正社員として進学塾で働いていました。定時が午後2時から10時半という職場で、妊娠をなかなか職場に伝えられませんでした。保育園は待機児童も多く入りにくいし、時短にしても夜8時までは働いてほしいと言われ、好きだった仕事をやめなければいけない状況になりました。産んでから、仕事を探して正社員になれるの?と考えて悩みました」

 産休に入るギリギリまで勤め、無理をしてお腹の張りが強くなりがちだった。妊娠糖尿病になってしまい、Aさんは「つわりのときに、食べられなくて果物を取りすぎたせいかな」と自分を責めた。

夫は常に他人事で、一緒に考えようという態度がなかった。仕事を続けるかどうか、相談に乗ってもらえず、辞めると決めてから、夫に『共働きが良かった』と言われた。夫は長期の出張もあり、忙しいので、私がなんとかしなきゃいけない。高齢出産の不安もありました」