2021.01.25
# 鉄道

ドラム缶も発明⁉80日間世界一周に挑んだ女性記者ネリー・ブライをご存じですか?

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

女性記者の八十日間世界一周

皆さんはジュール・ヴェルヌの空想科学小説『八十日間世界一周』(1873年)をご存知ですか? 主人公のフィリアス・フォッグが友人と「80日で世界を一周できるか」という賭けをして、実際に自らそれを証明しようと奮闘する様子が描かれた傑作です。

しかし、当時目新しかった電車などの交通手段を用いて実際に短期間で世界を一周した人物がいたことはご存知でしょうか?

今日、1月25日は世界一周を果たしたアメリカの女性記者ネリー・ブライ(Nellie Bly, 1864-1922)がゴールであるフィラデルフィアにたどり着いた日です。

ネリー・ブライ(Nellie Bly) photo by Getty Images

ネリー・ブライ、本名エリザベス・ジェーン・コクランは女性差別的な記事が書かれていた当時のアメリカにあって男女平等な記述を志した女性記者で、潜入記事などの体当たり的なコラムで人気を博していました。

そんな彼女が世界一周を目指したのは前述の『八十日間世界一周』を読んでのことでした。物語に夢中になった彼女はすぐに自身が働く新聞社に「80日で世界を一周する」という企画を提出し、一年後に実現します。

1889年11月14日にニューヨークから出発した彼女は小説同様、東回りに航路を取り、ヨーロッパへ向かいました。

彼女の挑戦は新聞社から大々的に報道され、フランスでは『八十日間世界一周』の著者であるジュール・ヴェルヌとも会談することができたほか、彼女の企画に影響されて他の新聞社からエリザベス・ビスランドという女性がネリー・ブライに対抗する形で西回りの世界一周の旅に出ています。

その後、インドやスリランカ、日本などを通ったネリー・ブライは1890年の1月25日にゴールのフィラデルフィアにたどり着き、72日で見事その挑戦を達成しました。これは当時の世界一周の最速記録でした。

この記録は数ヵ月後にジョージ・フランシス・トレインという人物に塗り替えられてしまいますが、このことも含めてネリー・ブライの挑戦は当時日進月歩であった交通技術の進化を世界に見せつけた出来事として知られています。

ちなみに、このネリー・ブライは記者引退後にいくつもの特許を取得しており、現在のドラム缶の原型を作ったのは彼女であると言われています。

photo by iStock

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