ヘンリー・フォード(1940年)/Photo by Gettyimages
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自動車王ヘンリー・フォード、二度の挫折からどうやって「大逆転」したのか?

「T型フォード」大ヒットまでの長い道のり
ウォルト・ディズニー、小倉昌男、カーネル・サンダース……。誰もが知る偉人たちだが、決してすんなりと成功をつかんだわけではない。失敗も、挫折も経験し、そのうえで「人生逆転」を果たしたのだ。そんな偉人たちの波乱に富んだ人生に触れることができるのが、早見俊氏の『人生! 逆転図鑑』だ。その中から自動車王、ヘンリー・フォードの「成功の秘密」をお伝えしよう。

あのエジソンも認めた才能

1896年、エジソン照明会社のチーフエンジニアだったヘンリー・フォードは、自作四輪自動車の製作に成功します。尊敬する発明王トーマス・エジソンに自動車開発への夢を熱っぽく語り、励ましの言葉をかけられました。

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時にフォード、33歳、自動車王への道を踏み出した瞬間です。

「努力が効果を表すまでには時間がかかる。多くの人はそれまでに飽き、迷い、挫折する」とは、フォードの名言です。たゆまぬ努力を続け、成功を手にしたフォードならではの言葉です。彼の人生はその言葉を実践したものでした。

フォードは、少年のころから機械に興味を抱き、機械いじりが好きでたまりませんでした。その結果として、16歳のとき、デトロイトで見習い機械工として就職し、紆余曲折を経て、総合電機メーカーのウエスティングハウスに蒸気機関の修理工として採用されました。

そして、1891年、エジソン照明会社の技術者となり、2年後にチーフエンジニアに昇進します。チーフエンジニアになると、内燃機関の実験に携わり、冒頭の自作四輪自動車の製作につなげていきます。彼は1日12時間勤務し、帰宅してからも自宅につくった作業場でエンジンの研究に没頭しました。

エジソンは、自動車開発にも強い関心を抱いていました。自作四輪自動車を製作した後、フォードは会社内の幹部社員の親睦食事会に呼ばれます。そこでの話題は、乗物用蓄電池の充電でした。電気を扱う会社としては、大いなるビジネスチャンスです。

当時、自動車のエンジンについては議論が分かれていました。すなわち、電気自動車、蒸気自動車、ガソリン自動車、いずれがよいのか結論が出ていなかったのです。食事会では、当然のように電気自動車の優位性が語られました。

 

しかし、エジソンは、フォードがガソリン自動車の製作に成功したと耳にすると、大いに興味を示し、次々と質問を繰り出します。フォードは的確かつ丁寧に答えました。

すると、エジソンはわが意を得たりとフォードを絶賛し、今後も自動車開発の道を進むよう励ましたのでした。