ウイルスは細菌にも感染する
地球上には生物がたくさんいる。その中で、数が一番多いのは、細菌のように小さい生物だ。そのため、地球は細菌の惑星と呼ばれることもある。しかし、その細菌よりも、さらに数が多いものがいる。それはウイルスだ。地球には、細菌やウイルスがたくさんいるのである。

大部分の細菌やウイルスは私たちに害をなすことはないし、中には有益なものさえいる。とはいえ、一部の細菌やウイルスは、私たちに病気を引き起こす病原体である。そのため、細菌やウイルスというと、印象はたいてい良くないし、両者は似たようなものとイメージされることも多いのだろう。
しかし、細菌とウイルスは大きく違う。細菌は細胞でできており、細胞分裂をして増える。つまり、細菌は生物である。そういう意味では、私たちヒトと同じだ。私たちも生物で、細胞でできており、細胞分裂をする(ただし、私たちは多細胞生物なので、たくさんの細胞でできている。いっぽう細菌は単細胞生物なので、1つの細胞でできている)。
いっぽうウイルスは、タンパク質やDNA(あるいはRNA)でできた粒子である。細胞でできていないので、通常は生物とされない。それ自身では増えることができないが、生きた細胞の力を借りれば、自分の複製を作って増えることができる。