川崎フロンターレの中村憲剛選手[Photo by gettyimages]

40歳・中村憲剛選手が、18年間も川崎フロンターレで戦い続けられた理由

どんなピンチも、チャンスに変えてきた

「最高以外の言葉が浮かばない」

涙が溢れ出た3年前の初優勝とは違って中村憲剛はスマイル全開だった。

11月25日、首位に立つ川崎フロンターレはホームの等々力競技場に2位ガンバ大阪を迎え、5-0と圧勝。2シーズンぶり3度目のリーグ制覇は、4試合を残しての歴代最速であり、ここまで積み上げた勝ち点75は歴代最多という記録尽くめとなった。

優勝を果たした川崎フロンターレの中村憲剛選手[Photo by gettyimages]
 

フロンターレ一筋18年、今シーズン限りでの引退を表明していた中村は終盤に投入され、キャプテンマークを託された。優勝の瞬間、次々にチームメイトから抱きつかれた。

「いやもう最高です。最高以外の言葉が浮かばない」

優勝インタビューで見せたその笑顔は、どこか安心したような柔らかさを帯びていた。そして言葉を続ける。

「(周りの選手たちが自分に向かってきて)なんか子供を見る親みたいでしたね(笑)。だいぶ(年齢が)離れている選手が多いので。移籍してきた選手は別ですけど、みんなルーキーのころからフロンターレのために頑張ってきて、ここまで自分たちでチームをつくってくれたんで、きょうはそこに乗っかるだけでした。みんなが強いフロンターレをつくってくれましたから、僕は心おきなく先に進みたいなと、みんなの顔を見てあらためて思いました」

川崎フロンターレの選手たちと[Photo by gettyimages]

コロナ禍での観戦制限により声を出せないスタンドからは、大きく、かつ惜しみのない拍手が送られた。カレンダーが11月に入った途端、誰もが驚いたあの引退表明があった。予想できるわけもない。衰えどころか凄味を増して大ケガから戻ってきたのだから。