2020.12.01

菅首相「温室効果ガス排出ゼロ」に難癖をつける感覚はズレてないか?

すでに125ヵ国もあるんですが…
夫馬 賢治 プロフィール

「コロナでSDGsブームは終わったんだよ」

検索は連休になると激減するため、2019年もゴールデンウィーク、夏休み、年末年始には検索数が大きく下がるが、大きなトレンドとしては、2019年の「ESG」検索数は概ね横ばいだった。一方で「SDGs」の検索数が急上昇し、年末には2倍を突破。そして年明けの今年の1月には2.5倍をも突破するという空前の「SDGsブーム」だった。企業も雑誌も新聞も「SDGs」を連呼し、SDGsのアイコンをかたどった「SDGsバッジ」がAmazonにいくつも陳列され、飛ぶように売れた。

しかし、コロナが始まり、この状況が激変する。あれほどブームだった「SDGs」が一気に萎んだ。関心度は1月の250から、3月と4月には一気に150を切るまでに急落する。私も日本の大企業で働く何人もの人から「コロナでSDGsブームは終わったんだよ、と社長が言い出しました」と直接言われたほどだ。あれほどブームだったのに、不景気に陥れば、当然のようにSDGsは終わる。日本ではほとんどの人がそのように考え、それを忖度するかのように新聞もテレビも急に「SDGs」という言葉を発しなくなる。そんな状況が今年の前半で、SDGsの関心が年始並みに回復したのはようやく9月頃になってからだった。

 

では、私が著書『ESG思考』の中で書いた予言は何だったのか。4月に出版したこの本を書いていた2月には、まだ海外でもロックダウン(都市封鎖)が発生していたのは中国だけだったが、私はこの時点で、おそらく日本ではSDGsとESGに関する話題はコロナで一気に萎むだろうが、欧米では逆に、コロナの猛威が拡大すれば、特にESGに関する話題は増えていくだろうという見通しを示した。では結果はどうだっただろうか。

まず、グローバルの特徴としては、もともと「SDGs」よりも「ESG」のほうが関心が高い。これには、SDGsという言葉が2015年に確立したのに対し、ESGは2006年誕生と歴史が古いことや、企業や投資家では専らESGという言葉のほうがよく使われるという背景があると私は感じている。そして2019年は、日本と同じく「SDGs」の関心が右肩上がりだったが、「ESG」も同じく伸び、特に、年明けには「ESG」が急上昇し「SDGs」を大きく引き離す状況にあった。

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