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2020.12.01

菅首相「温室効果ガス排出ゼロ」に難癖をつける感覚はズレてないか?

すでに125ヵ国もあるんですが…
菅首相が国会所信表明演説で「2050年までに温室効果ガスの排出ゼロ」を宣言し、バイデン米国新大統領が、パリ協定に署名したケリー元国務長官を初の設置となる気候変動問題の大統領特使に指名するなど、気候変動対策がにわかに騒がしくなっている。とはいえ、いまだに日本と欧米の、とくに経済界の温度差は大きい。世界ではコロナ禍でESG投資が大きく飛躍した。その理由を日本人はどこまで理解できているだろうか。ESG(環境・社会・企業統治)に精通する夫馬賢治氏の緊急寄稿をお届けする。

今年だいぶ馴染みになった「ESG」

新型コロナウイルス・パンデミックによって生活が激変した2020年。オリンピックが開催されるはずだったこの年も、そろそろ終わりを迎えようとしている。この1年間を通じて、大きな存在感を示したものがある。それがESGだ。

「環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)」の頭文字が由来となっている外来語の「ESG」は、今では連日のように経済メディアに登場するほど、企業や金融機関の間ではお馴染みの用語となった。しかし今年の前半と後半ではその雰囲気が大きく違っているのを覚えていらっしゃるだろうか。2020年はESGに関する捉え方が目まぐるしく変化した年にもなった。

 

私は今年4月に講談社から『ESG思考』という本を出版し、まだコロナ禍の影響がよくわからなかった段階で一つの予言をしていた。その予言内容の話をする前に、コロナ禍が始まる前の状況に少しだけ触れておきたい。

この図は、グーグル検索での世の中の関心度を測定する「Google Trends」で、日本における「ESG」と「SDGs」の2つの変遷を見たものだ。期間は2019年1月から2020年10月までの22ヵ月間。まず、日本の特徴としては、日本政府や経団連、そしてメディアが積極的に「SDGs(国連持続可能な開発目標)」という用語を宣伝したため、「ESG」よりも「SDGs」のほうがはるかに検索されている。グラフの数値は2019年の第1週のSDGs検索数「100」とした相対値となっている。

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