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次期大統領ジョー・バイデンの「家系図」を読み解くと見えてくる「ある真実」

巷間流布している情報では…

イギリスにおける「バイデン姓」

次期大統領ジョー・バイデンは、1942年、東部ペンシルベニア州スクラントンに生まれた。家系としては、少なくともそれまでの父方5代に渡ってボルチモアを中心とするメリーランド州で出生している。ちなみに5代先祖(高祖父の父)のウィリアム・ヘンリー・バイデンは、1787年のイングランド東部ハンティンドン生れで、彼の代が一家でアメリカに移住し、彼自身はボルチモアで死去している。なおハンティンドンは、17世紀のあの不世出の政治家オリヴァー・クロムウェルの生誕地として有名である。

巷間流布している情報では、バイデン家はイギリス・アイルランド・フランスの血が混じっているという。どういうことだろうか。

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バイデンという姓がイギリスで最初に見られたのは13世紀、ドーヴァー海峡に面した南部ハンプシャーにおいてである。ドーヴァー海峡を挟んで大陸との近さを感じる土地柄である。果たしてバイデン(Biden)という姓はもともとボタンを作る人という言葉から出来たものと言われ、そのルーツは、古フランス語のボタン(Button=バトン)を意味するButonから来ているという。11世紀のウィリアム征服王によるノルマンの征服以降にイギリスに入ってきた姓であろう。

移民国家のアメリカ人がそれぞれヨーロッパにルーツを持つのは当然であるが、そのアメリカに多くの移民を供給したイギリス・アイルランドなども、自らがヨーロッパ大陸から多くの人口の供給を受けて成立した社会だということだ。十数世紀以上も昔の北ドイツあたりからのアングロ・サクソン系民族の大移動は別としても、11世紀のノルマンの征服以降、大陸から、とりわけ北フランス(ノルマンディー)・フランドルから様々な理由で多くの人口移動があった。イギリス人の多くが、とりわけ後世に名が残る偉人の場合は、濃淡の差はあれ大陸にルーツを有するというのは、至極当然である。