# 政治学 # ネット右翼 # 陰謀論

「右でも左でもない普通の日本人」を自認する人ほど、陰謀論を信じやすかった…!

研究が示す驚きの事実
秦 正樹 プロフィール

少し仕組みがややこしいかもしれない。しかし、本研究の具体例を見ていただければ、おそらくこの実験の構造がわかっていただけるだろう。筆者のリスト実験では、3つの意見リストを提示する統制群と、それに陰謀論的意見を加えた4つの意見リストを提示する処置群を用意した。具体的には、以下の質問をするような形で実験を行った*5

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以下には、Twitter などの SNS 上でみられる書き込みの内容を3(4)つ示しています。これらのうち、あなたも同意できる意見や主張はいくつありますでしょうか。同意できるご意見があれば、その「個数」を教えてください。(それぞれの意見について、個別にお答えいただく必要はありません)*6

<統制群>
• SNS 上で不適切な動画などを投稿して社会的なバッシングを受ける、いわゆる「炎上」騒動が多発することは好ましくない
• もし災害などでインターネット(WEB)サービスが使えなくなったとしても、さほど自分の生活に影響はない
• 国民は、個人の生活を充実させることよりも、国や社会のことにもっと目を向けるべきだ

<処置群1:上の3つ+北朝鮮グル説>
• 政府に都合が悪い問題があると決まって北朝鮮からミサイルが発射されるのは、両政府が実は裏でつながっているからだ

<処置群2:上の3つ+外国政府グル説>
• 安倍政権を批判する勢力は、その裏で、外国政府から人や金などの資源提供を受けている

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みんな「ホンネ」では陰謀論を信じている?

実験結果を確認する前に、処置で示した2つの陰謀論の信憑性を直接に尋ねる方式(Direct Question:DQ)でも調査しているので、その結果を図2に示した。「同意」「やや同意」の合計率を見ると、北朝鮮グル説は約10%、外国政府グル説では約20%となっている。

図2 陰謀論的言説への同意の程度(DQ方式)

一方で、リスト実験の結果はどうだったか。まず基準となる統制群の平均値は1.34である。つまり、陰謀論以外の3つの意見について、回答者は平均して1.3つほど「同意」している(もちろん、それがどの意見についてなのかは筆者にもわからない)。それに対して、処置群1(北朝鮮グル説)は1.58で統制群より0.24ほど高く、これは統計的に有意な差であった。対して、処置群2(外国政府グル説)は1.44で0.1ほど平均値は高いものの、その差は統計的に有意ではなかった。

細かい計算方法は割愛するが、この結果からわかるのは、「北朝鮮政府と日本政府は裏で実はつながっている」という陰謀論は、人々の「本音」の部分では、24%もの人(日本人のおよそ1/4!)が信じているということになる。

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