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ドラッグストアが軒並み退店…大阪の不動産がヤバいことになっている

ミナミが「まるで別の街」に…

大阪の中心地に訪れていた不動産バブルが終焉を迎えつつある。

インバウンド需要の爆増や大阪万博開催決定を背景に、近年では市内を中心にホテル建設ラッシュが相次いだ。北区、中央区、浪速区に西区、天王寺区といったエリアの訪日外国人客における人気と地価上昇率は比例し、5年ほど前から今年1月頃までは地価は上昇の一途を辿っていったのだ。

リーマンショックを超える「別次元」の地価下落

大阪府が発行する『地価だより』(20年3月号)の地価公示前年の平均変動率をみると、市内は住宅地、商業地、工業地で昨年の水準を上回っている。特に商業地は全体で2.7%の上昇をみせており、変動率1位の宗右衛門町の住友商事心斎橋ビルは実に44.8%の上昇を記録していた。

ミナミは全国でも有数のインバウンドの恩恵を受けていた地域の1つであり、この流れを牽引していた。だが、世界中に拡大した新型コロナウイルスの影響で訪日観光客は途絶え、7月の地価調査では壊滅的な数字を叩き出している。不動産鑑定士の中村光伸氏はいう。

「05年の地価調査と現在を比較すると、15年間で道頓堀の観測地点で約5倍弱、心斎橋では6倍近い数字に跳ね上がっていました。それが今年は同エリアの観測で年間約30%を超える地価下落に直面する可能性が高い。この数字はリーマンショック時の約20%という下落率を超えるもので、もはや別次元の数字といえるでしょう

 

実は地価推移を大阪市内全域でみると、あくまで微増、微減に留まり、特筆すべき数字ではない。先述した北区、中央区、浪速区に西区、天王寺区に福島区辺りの上昇地域と、その他の区との2極化が進んでいる側面もある。

以前、ミナミの中心地である道頓堀や心斎橋筋の組合幹部を取材した際に、こんな表現を用いていた。

「ミナミという“面”で集客できる点が強みとなっており、正直、他のエリアでは同じ戦略は難しいところもある。逆にいえば、訪日客が減れば元の地方都市の寂れた商店街に戻ってしまう……」

これは大阪にとっていかに訪日観光客が経済成長に占める割合が大きいかを示した言葉であり、極端にいえば、成長率=インバウンドと行っても大袈裟ではないのかもしれない。