皇太子妃に内定した際のレモンイエローのコート

1993年1月19日、皇室会議で皇太子妃に内定した雅子さまは、記者会見にのぞまれました。レモンイエローのガウンコートの下には、同じ素材のワンピースをお召しになっています。イエローで揃えたファシネーター、クラッチバッグ、パンプス、そして、白いグローブが皇室にお入りになることを示しているようです。

冬の朝に映えるレモンイエロー photo by gettyimages(1993年1月19日撮影)

まばゆい光にあふれたイエローは、太陽のような明るさとあたたかさに満ちています。喜びや幸せを象徴するイエローは、ご婚約発表にふさわしい色。知性を象徴する色でもあるので、ハーバード大卒の外交官というご経歴にもかなっています。

天皇陛下と雅子さまの最初の出会いは、1986年10月18日、スペインのカルロス国王の長女・エレナ王女の歓迎パーティのお茶会だったそうです。天皇陛下は雅子さまの第一印象について、「とてもかわいらしい方ですね」とおっしゃったそうです。

photo by gettyimages(1993年1月19日撮影)
 

その一方で、皇太子妃という特別なお立場になることは、孤独を受け入れることでもあります。イエローは友だちのような色。楽しいときは一緒に笑い、寂しいときは寄り添い、孤独感を和らげてくれます。

色は心を映し出すものであると同時に、心をつくるものでもあります。ご婚約の日にイエローのコートをお召しになった雅子さまは、陛下の心をつかんだ愛らしさに満ちあふれています。そして、陛下の愛情とともに、皇太子妃という大任を引き受けるご覚悟も感じられるのではないでしょうか。

海外公務でお召しになったブルー

2002年12月のニュージーランドおよびオーストラリアご訪問では、ブルー系のコートをお召しになりました。1994年11月、1995年1月のアラブ歴訪から、およそ8年ぶり、3度目の外国訪問でした。皇太子妃として国際親善に取り組める喜びもある一方で、1歳を迎えたばかりの愛子内親王と離れることへの不安など、さまざまなお気持ちが交差していたのではないでしょうか。

気品を感じるファー付きのダークブルーのコート photo by gettyimages(2002年12月11日撮影)
photo by gettyimages(2002年12月11日撮影)

ご出発の日は、襟と袖口にブラウンのファーをあしらったダークブルーのコート。ブルーは心の中にあるざわざわとした不安に寄り添い、安心させてくれる色です。夜空のようなダークブルーは、暗いけれど透明感があります。ダークブルーを見ると、私たちの心も夜空のように澄んでいくのです。

 

ご帰国の日は、襟、袖口と前ボタンに黒をあしらったロイヤルブルーのコートでした。鮮やかに発色するロイヤルブルーは、雅子さまの魅力をもっとも輝かせる色のひとつ。皇室外交という大きなお役目を果たされて、愛子さまの元にお帰りになる……そんな喜ばしい日だからこそ、ロイヤルブルーのコートを選ばれたのでしょうか。

雅子さまが好んでお召しになる「ロイヤルブルー」 photo by gettyimages(2002年12月19日撮影)

誰の人生にも正解はないので、このまま進んでいいのだろうかと、誰もが漠然とした不安を抱えているものです。このような不安は、ただ心の中にあるだけで、具体的に解決できるものではありません。ロイヤルブルーをお召しになった雅子さまがひときわ美しく見えるのは、ご自身の道を前へ進んでいこうとする意思や勇気が伝わってくるからかもしれません。