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香港が「萎縮社会」になりつつある…多くの日本人が知らない「衝撃実態」

周庭ら即日収監で露呈したこと

11月23日、香港の活動家・周庭(アグネス・チョウ)、黄之鋒(ジョシュア・ウォン)、林朗彦(アイバン・ラム。周庭、黄之鋒らとともに政治団体「デモシスト」を率いていた人物)の裁判が行われ、3人とも保釈が認められず、即日収監となった。

昨年6月に逃亡犯条例改正案に反対するために行われた、湾仔の警察本部を包囲する未許可のデモに参加し、デモ参加者を扇動した容疑で有罪との判断が示されたのだ。黄之鋒は、未許可のデモを組織した容疑でも起訴されている。未許可のデモへの参加に他人を扇動したと認定されれば、最高で5年の懲役刑が科される可能性がある。量刑は12月2日に下されるという。

周庭は今年8月にも逮捕されている。こちらは国家安全維持法違反の容疑だったが、彼女が自宅から連行される姿が報じられ、日本では大きな話題となった。このときはすぐに保釈が認められ、警察による取り調べが続いている。それでは、なぜ今回は保釈が認められなかったのか。罪を認め即日収監となったが、それは一体なぜなのか。

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懲役刑の可能性も…

まずは現地の状況を確認しようと、周庭らとともに活動してきた區諾軒元立法会議員に電話で話を聞いた。昨年6月、區元議員は3人とともに現場におり、周庭は活動を組織したり、他人を扇動したりはしていないと証言する。「今はデモ参加者らに“一緒に食事しましょう”と言うだけでも、扇動と受け取られる状況だ」と話した。

周庭が罪を認めたのは、現実的な判断をしたからだと見られる。オンラインニュースメディア『立場新聞』の報道によると、周庭は罪を認めれば、刑期が3分の1に減らされる可能性があるという。

代理人を務める駱應淦弁護士は情状酌量を求めようと、黄之鋒と周庭が今年卒業した香港公開大学、香港浸会大学(バプティスト大学)の教授の書状を提出した。香港浸会大学の教授は、「周庭は助けの必要な人を進んで支援しようとする人間で、事件の現場でも暴力を煽るようなことは全くしていない」と記している。