食のスペシャリスト&グルメに精通する識者で構成される「FRaU Foodies」が、今イチオシの料理やスイーツなどをお届けします。今回は、国内外で約1000軒のパン屋さんを訪れているモデルのパン野ゆりさんが登場。はじめて食べたときの衝撃が忘れられないパンを教えていただきました。
本店の移転を機にさらに
パワーアップした世田谷の名店
「初めて食べたのは5年前くらい。そのとき、脳内にパンの美味しさが駆け巡ったのをハッキリと覚えています。そして今でも、食べると同じような“稲妻”が走ります!」
パン野さんにこれだけの衝撃を与えたのが、東京・世田谷の名店「Signifiant Signifié(シニフィアン シニフィエ)」の「パン オ ヴァン」。
「水の代わりに赤ワインで小麦粉を捏ねているパンなんです。だから色味もほんのりと赤い。様々なドライフルーツとナッツがこれでもかというほど大量に使われていて、とっても贅沢。
噛めば噛むほどジューシーな香りが脳天まで広がります。一口食べるごとに味を変え、しっとりとしたパン生地はまるでケーキのよう。本当に贅沢な気分になれる、ご褒美パンです」
白イチジクやナッツ類などが入った生地を皮の生地で包むことで、具材が持つ風味を閉じ込めています。だからこそ、パン野さんが言う通り食べたとき一気にそれぞれの香りが広がるのでしょう。
このパン オ ヴァン、一体どのように食べればいいのか伺いました。
「毎年この時期は数種類のシュトーレンをいただくのですが、パン オ ヴァンをシュトーレンの様に薄くスライスして楽しむのもとってもおすすめです!」
シュトーレンはドイツの菓子パン。生地に粉砂糖がまぶされていて、中にナッツやドライフルーツがぎっしり入っています。クリスマスまでに少しずつスライスして食べていくのが定番の食べ方です。
そのシュトーレンのように食べるというのがパン野さん流。お店ではフルボディの赤ワインと合わせるのをおすすめしており、自宅でパン オ ヴァンをつまみに“パン飲み”なんてのもオシャレです。