全絵描き必見!「美術解剖学」を知ると人体がリアルに描ける理由

骨格と筋がわかれば、キャラは動く
金井 裕也, からだとこころ編集部 プロフィール

観察、経験値、そして解剖学的情報

人間の動きをごく自然に見せるには、制作者の日常的な人間観察が大きな効果を生みます。どなたかにモデルを依頼して写真資料として活用するにしても、シャッターチャンスを逃さずに決定的な瞬間を押さえるには、観察眼と経験値が重要なファクターになります。

静止した人体がどのような構造になっているかという《解剖学的な情報》と《動きのなかでの骨や筋の情報》、そして《制作者の観察経験》がひとつのものとなってこそ、よりリアルな、生きているキャラクターを生み出すことができるのです。生き生きとした表情や、感情をともなった動作によるからだのわずかな変化、驚くほど速い動きなどの表現は、どの情報が欠けても成立しないでしょう。

また、実際の描画では骨や筋がそのまま描かれることはない、ということがあります。いわゆる「体表」の表現しか使われないのです。衣服を着ている場合は、体表でさえ、首から頭、前腕から手、膝から足までしか露出していない場合もあるでしょう。

しかしながら、そのキャラクターがどのような動きをしても、全身の骨格を意識していれば、的確な屈曲や伸展、回転の表現が可能になります。

人間の描画において、命を感じさせられるかどうかは、制作者の生命理解の経験値と解剖学的情報の積み重ねにかかっています。

【写真】経験値と解剖学的情報の積み重ねが命を吹き込む経験値と解剖学的情報の積み重ねが命を吹き込む photo by gettyimages

今回刊行された『人体を描きたい人のための「美術解剖学」』は、《解剖学的な情報》を解説した【基礎編】と、《動きのなかでの骨や筋の情報》をできる限り広く集めた【実践編】から構成され、人体というモチーフを立体的に理解できるように工夫されています。人物表現を目指す人をはじめ、人体理解を志す多くの方の役に立つ書籍だと確信しています。

人体を描きたい人のための
「美術解剖学」

【書影】美術解剖学

人体をリアルに描くためには、骨や関節、そして筋の付き方といった解剖学的な知識が欠かせません。そうした基礎知識を踏まえて、人体の動きや、体表にあらわれる凹凸を捉えることができれば、イラストは驚くほど生き生きとしたものになってきます。

本書は、精密に描かれた解剖学的なイラストで、人体とその動きに対する理解を深めることができる【基礎編】と、動きのある人体を描くための【実践編】で構成され、人体の構造を確認できるよう、体表とともに骨・筋のイラストが添えられています。人体を描きたい人はもちろん、人体を立体的に理解したい人にもおすすめです。

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