コロナで「医療崩壊」危機…死に直結する「患者切り捨て」をどう考えるか

大阪知事も「病床トリアージ」を表明した
美馬 達哉 プロフィール

日常医療のなかの「医療資源配分の観点」

たとえば、数日前からの頭痛があって、あなたは病院に受診の予約をしていたとしよう。

予約時間になっても待合からいっこうに呼び出されないので受付スタッフに尋ねてみると、急患が入って救命処置などの対応で1時間遅れだと説明だ。

だいたいの人は、自分にも予定や都合があるのにと思いつつも、「しょうがない」と納得するだろう。

これは医療倫理で考えれば、あなたは「医療資源配分の観点」から優先順位が低いと見なされ、いわば「患者の切り捨て」にあったとことになる。

〔PHOTO〕iStock

あなたより重症な人(医療を受けることでの益が大きいと予測される患者)とあなたは比べられ、もう一人の患者が優先されて、あなたは切り捨てられ、あなたの治療は後回しになっているからだ。

ひょっとすると、あなたの頭痛が軽いくも膜下出血で、待っている間に本格的な出血を起こして死んでしまう、ということも起きるかも知れない。

そうした最悪の結果になる可能性はあるものの、シナリオA(軽症者の優先度を下げる)の場合は大きな問題は生じにくい。

わたしも、こうした医療資源配分は、臨機応変に臨床の現場では行うのが当然と考えている。

 

医療資源配分でとくに問題になるのはシナリオB(重症者の優先度を下げる)の場合だ。

そもそも重症度を客観的に容易に決めることはできるか、別の病気(たとえばガン末期で余命6ヶ月)があった場合はどう組み合わせて評価するのか、など考えれば考えるほど難しい。

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