コロナで「医療崩壊」危機…死に直結する「患者切り捨て」をどう考えるか

大阪知事も「病床トリアージ」を表明した
美馬 達哉 プロフィール

あなたは薄れ行く意識のなかで、「当院では、優先順位の規定に基づいて医療資源配分のトリアージを行う旨がホームページで情報公開され、病室の壁にも掲示されています。苦情や人権侵害の申し立ての電話番号も併記されています」との患者の権利に関する説明を聞かされるかもしれない。

ベッドや医療機器が消毒された後、新しく運ばれてきた優先順位の高い患者の方に人工呼吸器はリサイクルされる。

せっかく助かったと安心したとたんに人工呼吸器を取り外され、救命治療を中止されるわけだが、治療無しで放り出されるわけではない。

あなたが暴れたりせず「尊厳」ある死を迎えられるように、緩和ケアとして鎮痛剤や鎮静剤は十分に処方されるはずだ。

これが、医療資源配分の観点から行われるICUトリアージ(架空シナリオ)である(*1)

高度医療という貴重な医療資源を浪費しないために、軽症の人(シナリオA)も重症過ぎる人(シナリオB)も、事前に定まった手順通り、ICUからは選別排除される。

 
(*1)R・D・トゥルオグの古典的な論(”Triage in ICU” Hasting Center Report May/June 1992)やD・ウィルキンスの最近の提言(”ICU triage in an impending crisis: uncertainty, pre-emption and preparation” J Med Ethics 2020)を元にして作成した。
編集部からのお知らせ!

関連記事

ABJ mark

ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標 (登録番号 第6091713号) です。 ABJマークについて、詳しくはこちらを御覧ください。https://aebs.or.jp/