実親が「育てられない」と決断した子を我が子として迎え、育てていく。それが特別養子縁組だ。子育ては体力や時間を要し、金銭的負担も重い。

いったいどのような方が養親となるのだろうか。そんな疑問を抱き、特別養子縁組をサポートするNPO法人『Babyぽけっと』の養親予備軍(これから特別養子縁組を考えている方)の説明会に行った。

特別養子縁組であることを隠さないで伝える

会場は20畳以上ある大広間で、5組の家族がおり、1~5歳くらいの子どもが5人ほどプラレールやミニカー、ぬいぐるみなどで遊んでいた。子ども同士は顔なじみなのだろうか。みんなでのびのびと楽しそうに遊んでいた。大きな子が小さな子にお菓子のパッケージを開けてあげるなど、ほほえましい光景も見られた。

「養子縁組をしたらそれで終わりではありません。『Babyぽけっと』では交流会を定期的に行い、養親も子どもが孤立や一人で思い悩むことがないようにしています。養親家族同士の助け合いも養子縁組家族には重要なことなのです」(岡田さん)

血縁が重視される日本で、養親家族は孤立しやすい。養子をタブー視する人も多く、“育ての親が実の親ではなかった”というテーマは、映画やドラマでも扱われている。『Baby ぽけっと』は、今公開中の映画『朝が来る』にも協力している。ここにも、「特別養子縁組」を考える夫婦の姿や望まぬ妊娠により悩む女性たちの姿がリアルに描かれている。

では実際の場合、子どもは育ての親が実の親ではないと知っているのだろうか。

「はい。子どもの成長に応じて“あなたには私たちとは別に、産んでくれたお母さんがいる”という真実を、さまざまな表現で子どもたちに伝えています。これを必ず行う方針です。

なぜなら、真実を隠して生活してきて、第三者から“あなたは養子だ”と知らされた場合、子どもの心は衝撃を受け、親子の信頼関係が一気に崩れるからです。そのようなことがないように、真実告知について、さまざまな方向から指導しています。年に1回『真実告知のシンポジウム』も開催しています」(岡田さん)

実親は我が子に手紙や誕生日プレゼントを贈ることができる。養親は6か月のハーフバースデーと、それ以降の誕生日に、実親に子どもの写真を『Babyぽけっと』を通じて送るのだ。

子どもを産んだ実親との関係がいい形で続くように成長の写真を『Babyぽけっと』と通して送っている。撮影/FRaU編集部

「実親にとって、自分が産んだ子であっても、戸籍上の親子関係はなくなっています。離れて暮らす我が子の成長する姿を確認し、喜んでくださる方は多いです。“来年の誕生日には、おもちゃをプレゼントしたい”と頑張って仕事に向き合う女性もいます。

でも、中にはアルバムを送っても、宛先不詳で戻ってきてしまったり、連絡が取れなくなってしまったりする女性もいます。こういった現実もあります」(岡田さん)