自粛期間中に立ち上げたイラストYouTube

過去の経験の中で、ピンチの時の“学び”を力にする術を知っていたからだろうか。外出自粛期間中は、「舞台ができなくて悔しい」とか「この長いトンネルはいつまで続く?」といった身に起きた不幸を嘆いたり、自分を追い詰めたりするのではなく、持て余した時間はすべて「今自分にできること」に集中することにした。

「僕は、幸運にも表現する仕事に就けていて、『おはようございます!』もそうですが、些細なことでも何でも、自分から何かを発信することができる。だったら舞台に向けるはずだったエネルギーを、違うものに向ければいいじゃん、と思ったんです。それで、絵を書くのが趣味なので、TwitterYouTubeに自分の描いたイラストを投稿することにしました。子どもの日は、自分が小さい頃、よく家で塗り絵をしてたことを思い出して、自分の線画に塗り絵風に絵を塗ってみたり、そこから、次は僕のイラストを楽しんでもらえた人向けに、原画というか下絵も投稿して。ついには、原画をプリントアウトをしないで済むように、塗り絵の本まで作って発売させてもらいました」

その“絵を描いて発表する”という一連の行為は、ファンの人たちに喜んでもらいたいという気持ちもある一方、瀬戸さん自身の精神衛生上必要な行為でもあった。

「絵を描いていると、無心になれるんです。たまに、気づいたら6時間ぐらい経っていることもあって(笑)。時間を忘れて没頭できることって、あんまりないじゃないですか」

撮影/山本倫子