インターネット時代における「同人誌イベント」の役割とは〜作家・pha(ファ)×文学フリマ代表・望月倫彦

pha, 望月倫彦 プロフィール

ネット時代とともに生まれた文学フリマ

――地方都市での開催もそうですし、年々参加者も増え、累計20万部を超えるベストセラーとなった『夫のちんぽが入らない』のように、文学フリマがきっかけの商業出版のヒット作もいくつも生まれています。この現状についてはどう捉えていますか。

望月:別に、僕たちからヒット作を生み出そうと働きかけているわけではないんです。それこそコンセプトを一つ立てたことで、周りが乗っかってくれて、いまのような状況になった。ただ、いずれそういったヒット作が生まれることはあるだろうな、とは思っていました。でも、文学というフィールドだから、数年レベルではなくて、10年や20年といった長いスパンで考えていましたし、自分たちで無理やり文学賞でもやって権威付けしようとはしなかった。感覚的には、参加者にうまく利用してもらえた、というのが正直なところですね。

だから、こちらとしては純粋に今まで通り続けていくだけです。文学フリマがあることで、書き手にとって締め切りが生まれたり、書くモチベーションになったりする。それが役割だと思っています。

 

pha:僕が出した理由もそうですけど、ここに出したら面白いことが起きるだろう、みたいな雰囲気がありますね。そのせいでいろんな人が集まっている。

望月:だとしたら嬉しいですね。小説でも詩でも短歌でもいいですが、それを見せる場所がなければなかなかモチベーションは上がらない。書いたら文学フリマに出せるよね、という表現の場としての安心感が得られたらいいな、と。

――正直、書いて読んでもらうだけであれば、ネットにも多くのプラットフォームがありますよね。

pha:それはそうですね、反応だけでいえばウェブの方が速くて大きい。ただ、文学フリマにはオフ会的な楽しさもある。文フリに行くと久しぶりに会える人がたくさんいるんですよね。さっきも言ったようなものを作る面白さや充実感もウェブとは全く違うものだし、あとは、ネットだと炎上しそうなものも、ためらいなく書ける(笑)。

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