インターネット時代における「同人誌イベント」の役割とは〜作家・pha(ファ)×文学フリマ代表・望月倫彦

pha, 望月倫彦 プロフィール

望月:ちなみにイベントをやっている身からすると、シェアハウスに「ギークハウス」というコンセプトをつけたのはすごい発見だったのではないか、と思っていて。たとえば文学フリマもそういうコンセプトがあるから、コミック系のイベントで居場所がないような人たちが出店しやすくなったんです。イベントでみんなで本を売りましょうという下敷きは一緒なんですけど、「文学フリマ」というコンセプトを作ることで参加しやすい人が増えた。

シェアハウスも、それだけだといわゆるパーティーが大好きな人たちの派手な生活を想像してしまうけど、ギークハウスというコンセプトがあることで「俺、ここなら行けるかも」という人が生まれる。実際知り合いでも、上京するときにギークハウスで検索してきたみたいな人はいて、彼らはシェアハウスではなくてギークハウスに興味があって調べたんですよね。

pha:そう考えると、文学フリマとギークハウスって似ているような感じがしますね。ギークハウスはコンセプトだけ作って、あとは誰でも自由にやっていいよというふうにしたことで、全国いろんな場所にできたりしたんですけど、実際文学フリマもそんな感じで、いろいろな都市で開催されるようになった。

望月:地方でも土台があれば人を呼びやすいし、コンセプトや共通ルールを統一していれば効率よくまわしていけますしね。あとはコンセプトとは外れないようにするだけでいい。

pha:ただ、文学フリマはちゃんとシステムを維持していてすごいなあと思います。僕はギークハウスはずっと放ったらかしで、それも飽きて去年やめてしまったし。

望月:ただ、最初にみんながいじらなくても実行できるコンセプトを最初に立てたこと、それはある種の発見だったと思いますよ。

pha:そもそも文フリは大塚英志さんが最初に作って、望月さんがそのあとを引き継いで大きくなってきたということですが、僕は大塚さん的な感じですね。コンセプトを立てるのは好きだけど組織を長く運営するのは興味がない(笑)。

関連記事