インターネット時代における「同人誌イベント」の役割とは〜作家・pha(ファ)×文学フリマ代表・望月倫彦

pha, 望月倫彦 プロフィール

文フリはもはや世界最大規模の同人イベント

pha:文学フリマは、ものを作ることの楽しみがあってよかったです。商業出版だと、基本的には原稿を書いて編集者に渡したらそこで終わりで、本を作って売るのは出版社の仕事だから僕の仕事じゃない、となってしまう。

でも、自分で同人誌を作ると、どういういう表紙のどういう本にするか、とか、どんなふうに売るか、ということも考えることになって、それが新鮮でした。あと、これは文フリに限らない話ですが、最近は売れている同人誌と売れていない商業出版の境目がない感じがありますよね。部数的にも

望月:そうですね。今は大変低いコストで本が作れる時代だし、文フリどころかコミケみたいな大規模な同人イベントが定期的に開催されているので、一歩を踏み出しやすい。昔は100部刷るなんておおごとでしたけど、いまは50部刷ろうが100部刷ろうが大して値段が変わらなかったりする。多めに刷っておいて、次のイベントに出したり、もしくはネット通販に出したり、そういう気軽さも手伝って同人文化はさらに盛り上がっている気がします。

文学フリマの様子/画像提供:文学フリマ事務局
 

pha:たしかにそうですね。同人誌、作ってみたら思ったよりも簡単でした。使いやすい印刷所もたくさんあるし。

望月:安く作れて、イベントも頻繁にあって、こんな環境が整っているの、おそらく世界的に見ても日本くらいですよ。たとえば、アメリカではインディーズ出版でZINEというものがあって、「サンフランシスコZINEフェスト」という全米最大のZINEフェスタがあるんです。そのホームページを見てみると、出店しているのは200~300ブースだったりする。文学フリマ東京の2分の1以下です。そう考えると、コミック系のイベントは別として、文学フリマは世界最大のZINEフェスタかもしれません。

pha:知らなかったです。ZINEという文化は向こうのほうが盛んなのかと思ってました。

望月:文化はあるし、盛り上がってはいます。既存のメディアが信頼できないという人が多く、自分たちで本やメディアを作ろうという機運が盛り上がっている。

編集部からのお知らせ!

関連記事