Cardboard Products
島津冬樹の段ボール/東京都
大好きな段ボールを、ごみでなく愛着のある品に
2009年、大学時代に初めての海外旅行で訪れたNYで、日本では見たことのない色合いやデザインの段ボールに魅了された島津冬樹さん。
世界中の段ボールを集めてみたいと、35カ国で段ボールを集める旅をし、それを素材に「不要なものから大切なものへ」というスローガンで、デザインと機能性を兼ね備えた財布やバッグなどを制作。これまでに作った量は試作品も含めて、2000個以上!
段ボールに限らず、自分で作ったものを使う喜びや、捨てる前に次の使い道を考えるという気付きを、ワークショップなどを通じて楽しくカジュアルに伝えている。
「落ちていた段ボールにお金を入れた瞬間、それが財布に変わった。初めて段ボール財布を作って使った時のそのワクワク感は、今でも覚えています。不器用とか器用に関係なく、買う以外の選択肢が誰にでもあることを示していきたい」と島津さん。段ボール財布の作り方など、活用の仕方を本でも広める。
また、どんなものにもストーリーがあることを知ってもらいたいと、映画『旅するダンボール』では、ものの背景にある物語を発信。リサイクルや再利用を考えた取り組みではなく、好きなことを追求した結果がアップサイクルにつながった愉快なミラクルは、世界的な関心を集めている。
Rename
リネーム/愛知県
捨てられる服に命を。新しいアパレルの形
年間十数億点ともいわれる国内のアパレル余剰在庫数。中には新品のまま廃棄されるものも少なくない。そうした問題に斬新なアイデアで取り組むのが〈Rename〉。値引きによる在庫処分などでブランドイメージを損いたくないアパレルメーカーから余剰在庫を買い取り、ブランドタグや洗濯表示タグの付け替え加工を実施。
〈Rename〉という新ブランド名で再販している。価格はもとの定価から3~8割引きというからかなりお得だ。地球にも消費者にも優しい取り組みが、アパレル業界に新しい風を吹き込もうとしている。
4NATURE
サトウキビストロー/東京都
「使わない」のその先に。ストローから作る循環
マイクロプラスチックによる海洋汚染が叫ばれる昨今、プラスチック製の使い捨てストローを廃止する企業も増えつつある。そんな中、〈4Nature〉が取り組むのは天然由来の材料を使ったサトウキビストローを通して、さらに大きな循環を生み出そうとする取り組みだ。
サトウキビストローを導入している東京のカフェや喫茶店に使用済みストローの回収協力を依頼。それを家畜の排泄物や食品のコンポストに混ぜて堆肥化するシステムを構築中。堆肥の完成後は農家と連携した野菜づくりも行う予定だ。現在、サトウキビストロー設置店は都内で250店舗。そのうち約50店舗が回収に協力中。順次拡大していく。