映画好きなら知っておくべき、「モンタージュ技法」を完成させた巨匠とは?

サイエンス365days

"サイエンス365days" は、あの科学者が生まれた、あの現象が発見された、など科学に関する歴史的な出来事を紹介するコーナーです。

映像の「編集」はここから始まった

1898年の今日(1月22日)、ソ連の映画監督セルゲイ・エイゼンシュテイン(Sergey Mikhaylovich Eyzenshteyn, 1898-1948)が誕生しました。彼は初期の映画製作の中で大きな技術革新となる「モンタージュ技法」を完成させた人物として知られています。

セルゲイ・エイゼンシュテイン(Sergey Mikhaylovich Eyzenshteyn)

現在のラトビアのリガで生まれたエイゼンシュテインはサンクトペテルブルクの土木学校で建築を学び、革命時には扇動演劇を行なっていました。革命後はモスクワのプロレトクリト第一労働者劇場に参加し、ここから彼の映画人生がスタートします。

さて、何と言ってもセルゲイ・エイゼンシュテインを語る上で欠かせないのが、無声映画の傑作たる代表作の『戦艦ポチョムキン』(1925年)です。

これは1905年に実際におこった水兵の反乱を題材にした映画で、それまで理論が語られるのみであった「モンタージュ技法」を完成させた作品となっています。

「モンタージュ」とはフランス語で「組み立て」という意味の言葉で、その名の通り、別に撮ったカットを編集によって繋げることで一連のシーンへと昇華させることを指します。

それまでもアメリカの奇術師・映画監督のグリフィスやフランスの映画監督ガンスが理論を述べてはいましたが、今一歩完成には至りませんでした。

そんな中でエイゼンシュテインの『戦艦ポチョムキン』ではそれぞれのカットの美しさを損なうことなく一連のシーンとして、力強い映像が製作されました。

特に、「オデッサの階段」と呼ばれるシーンは「映画史上もっとも有名な6分間」と言われるほどで、現在でも様々な映画でオマージュされています。

「オデッサの階段」のワンシーン

エイゼンシュテイン自身はこのモンタージュについて、哲学者ヘーゲルの弁証法(ある命題・テーゼとそれとついになる命題・アンチテーゼの掛け合わせによってより真実に近い命題・ジンテーゼを導く方法。無限に繰り返す事でより真実に近い命題が得られる)を引き合いに出しています。

エイゼンシュテインはその優れた映画理論と情熱から現在でも「映画史上有数の巨人」として映画人の尊敬を集めています。

関連記事