文在寅政権の「豹変」…突如として日本にすり寄り始めたあざとい狙い

「徴用工問題」を棚上げしてまで
金 敬哲 プロフィール

元徴用工の補償で合意か

文在寅大統領も、14日の「ASEAN+3」首脳会議で、自ら東京オリンピックに緊密に協力すると述べた。

「2021年の東京から2022年の北京へとつながる北東アジアリレーオリンピックを“防疫-安全オリンピック”として開催するため、緊密に協力することを提案する」

11月16日、親政権メディアの「連合ニュースTV」は、「韓日首脳が元徴用工に補償するということに合意した」というニュースを伝えた。

〔PHOTO〕Gettyimages
 

同ニュースは、韓国与党の高位関係者の言葉を引用し、「韓日双方が被害者補償原則に意見を一致した」とし、「補償の方法について大統領府や外交部が、それぞれ日本のカウンターパートともっと頻繁に会って熟議した後、両首脳が会って決断するという方針だと説明した」と伝えた。

具体的には、実務交渉を通じて補償合意案を作り、これをもとに日韓両首脳が東京五輪前に「ビッグディール」を試みるという説明だった。

この報道に対し、大統領府関係者は、「双方は問題解決に切迫している。その原則の下で互いに熱心に動いている状況で出た原論的な話だ」と説明しながらも、「東京五輪が(問題解決の)きっかけになる」と、再び強調した。

2018年2月の平昌(ピョンチャン)冬季五輪に、北朝鮮の金正恩委員長が大規模な使節団を派遣したことをきっかけに、南北間の板門店(パンムンジョム)首脳会談や2度の米朝首脳会談など、朝鮮半島問題における首脳外交が本格化した。文在寅政権としては、あの「成功体験」を東京オリンピックにも活かしたいのだろう。

拉致問題の解決に向けて「北朝鮮の金正恩委員長と条件なしに会いたい」と言ってきた菅首相としては、金委員長が東京オリンピックに出席すれば、自然な流れで日朝首脳会談へとつながることを期待できる。こうした日本の事情をよく知る文在寅政権は、「北朝鮮カード」を活用して日本側に接近しようとしているのだ。

ただ問題は、日韓間の最大懸案である徴用工賠償判決に対する両国政府の意見の相違が依然として縮まっていないことだ。